ロード・エルメロイU世の事件簿 case.封印種子テスカトリポカ
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45:名無しNIPPER[saga]
2020/09/22(火) 20:32:53.93 ID:kGu0y7r00

 何となく漂う気まずい雰囲気を払拭するように、師匠がごほんと咳払いをしてみせた。

「彼女は確かに特別な限定礼装の使い手ですが、神霊と真正面からやり合えるものではないと御理解頂きたい」

以下略 AAS



46:名無しNIPPER[saga]
2020/09/22(火) 20:33:45.33 ID:kGu0y7r00

 年の頃は20半ばといったところだろうか。それはガラス細工のように整った容姿をしていた。イゼルマでみた黄金姫/白銀姫ほどではないが、それでも男の容姿はどこか作り物めいている。雪のような白い肌。この湿気の中であってもさらさらと風に揺れる銀糸のような髪。血の様に赤い瞳。その全てに魔性が宿っているようだ。

 僅かに思考に空白が生まれる。師匠も同じだったようで、先に口火を切ったのはその青年だった。にこやかに口角を上げて、右手を差し出してくる。

以下略 AAS



47:名無しNIPPER[saga]
2020/09/22(火) 20:34:29.61 ID:kGu0y7r00

 だがそれに対する師匠の返答にはもっと驚かされた。

「そうですね。ひとつだけ言えることは、我々が考えるべきは、どうやって件の神霊を掻い潜り遺跡の調査を行うかという一点だけ、ということです」

以下略 AAS



48:名無しNIPPER[saga]
2020/09/22(火) 20:35:18.59 ID:kGu0y7r00

 どうやら彼には正解が分かったらしいが、自分にはさっぱりだ。そこに多少の悔しさを感じないでもないが、いまは手っ取り早く師匠に答えを求める。

「師匠、どういうことです?」

以下略 AAS



49:名無しNIPPER[saga]
2020/09/22(火) 20:36:17.45 ID:kGu0y7r00
今日はここまで


50:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:27:25.34 ID:mG1v5QBi0
          *


「……とはいえ、馬鹿正直に真正面から行っても他の調査隊の二の舞だ。まずは突破する為の材料を手に入れなければな」

以下略 AAS



51:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:28:31.84 ID:mG1v5QBi0
「あのなぁ、もしもあれがマジモンの神霊なら『手も足も出ない』程度じゃ済まねえに決まってるだろ! 一瞬で村も人も丸ごと灰になってるさ。だろう、先生?」

 答え合わせを求めるような友人の視線に、それを向けられた師匠は頷きで返した。

「その通りだ。神霊とは単なる英霊の上位互換ではない。両者の間には隔絶した差というものがある。例えば君の"槍"は真名解放によって神霊級の魔術行使を可能にするが、逆に言えば神霊はそれと同等の一撃を我々が魔術を使うのと同じ感覚で放てるわけだ。もちろん神霊と言ってもピンキリはあるがね」
以下略 AAS



52:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:29:13.94 ID:mG1v5QBi0

 だがその疑問に、師匠は何でもないという風に首を振って見せたのだった。

「いや、解明すべき謎はひとつだけだ。"どうして件の神霊は、今回に限って村を襲ったのか"。それ以外は大した謎でもないし、それさえ分かれば対処できるだろう」

以下略 AAS



53:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:29:46.49 ID:mG1v5QBi0

「呼ばれて飛び出てジャジャジャーン!」

「……」

以下略 AAS



54:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:30:16.98 ID:mG1v5QBi0

 だが彼女の表情にこちらを憎悪するような色は見えなかった。むしろ後ろめたさから息を詰まらせたこちらを慮る様に、首を傾げて覗き込んでくる。

「んー、どうかしたのシンデレラ。元気ないガオ。お酒飲むぅ?」

以下略 AAS



55:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:30:58.71 ID:mG1v5QBi0

 今回の事件の鍵を握るというホワイダニット。

 その"何故"を解明し対処できれば――つまりは村を襲う要因を取り除ければ、確かに状況は打開できるだろう。場合によっては調査を諦めて、次の派閥に引き継ぐことも視野に入る。

以下略 AAS



56:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:32:03.94 ID:mG1v5QBi0

「グレイ、何か質問してくれ」

「質問? 何をですか?」

以下略 AAS



57:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:32:52.77 ID:mG1v5QBi0
          *


「お前ひとりか? ロードはどうした?」

以下略 AAS



58:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:34:27.73 ID:mG1v5QBi0

「ああ、我々が遺跡探索に出ている間に、怪我人と治療で残るメンバーに食べさせる食事なんかについてな。我々の持って来た携行糧食の一部と交換という条件になったが、別によかろう? 何しろメンバーの半数以上を置いていくからな。だだ余りだ」

 どうやらゴルドルフの側も遺跡へ向かう際の準備をしていてくれたらしい。その辺り、自分と師匠は手つかずだったのでありがたいことだ。

以下略 AAS



59:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:34:55.31 ID:mG1v5QBi0

 そんなことを心配していると、少年の小さな呟きが耳に入った。誰に聞かせるつもりでもないような、自問自答にも似た声音。

「まあ……刻んだり煮たりと、錬金術に通じるものはあったからな。全く身が入らなかったというわけではないが」

以下略 AAS



60:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:35:52.31 ID:mG1v5QBi0

「……冷たい?」

 口に入れた途端、まるで氷水のような冷感が舌を刺す。不快ではない。むしろこの密林に入ってから一番の清涼感だ。すーっとした空気が喉から鼻に抜けた。

以下略 AAS



61:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:36:25.30 ID:mG1v5QBi0

「タコスか。ここで食べるにはぴったりの料理だな。マッシュポテトにサルサソース……悪くない。だが、まだ何か隠し味が……」

「これ、タコスなんですか?」

以下略 AAS



62:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:37:06.04 ID:mG1v5QBi0
          *


 しばらく後、村を出立した自分達は再びジャングルの中を歩いていた。

以下略 AAS



63:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:37:59.05 ID:mG1v5QBi0

「よーし、ここで一回目の休憩ガオー! 小休止!」

 そう言ってティガーが広場に入っていく。休憩と聞いてか、目の前をふらふらと歩く師匠の足取りも僅かに力強さが増した。遅れて自分が続くと、予想外の光景が目の前に広がってくる。
 
以下略 AAS



64:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:38:47.93 ID:mG1v5QBi0

 それに倣って、自分も小走りに師匠のもとへ戻ることにした。

「どうぞ」

以下略 AAS



65:名無しNIPPER[saga]
2020/10/10(土) 22:39:48.42 ID:mG1v5QBi0
なんか思ったよりも筆が進まなかったのでここまでを出題編としてこれで完結したものとする


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