ロード・エルメロイU世の事件簿 case.封印種子テスカトリポカ
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名無しNIPPER
[saga]
2020/10/10(土) 22:29:46.49 ID:mG1v5QBi0
「呼ばれて飛び出てジャジャジャーン!」
「……」
唐突に響き渡った声の発生源を見ると、何故か傍に生えている木の上にティガーが立っていた。何やら複雑なポーズめいたものを取っている。両手を左右に広げ、片足を上げ、まるでフラミンゴのようだ。
そこで気づいたが、ティガーの装いが変わっていた。例の民族衣装にバン・ブレード(これも後に師匠に聞くと、マカナというアステカの民が使った細石器の一種らしい)は変わらないが、さらに追加して木の槍やら石斧やら弓やらを全身に括りつけている。
「とう!」と気合を吐いて、彼女は数メートルの高さから軽々と飛び降りてくる。装備のせいで重量バランスは滅茶苦茶の筈だが、無駄に4回くらい回転しつつ危なげなく着地してみせた。そのまましばらくジュッテンジュッテンと壊れたラジオの様に繰り返す。部族の呪詛か何かだろうか
「あの身体能力も、神霊を降ろしたことに由来する副産物だろう。スヴィンの嗅覚と似たようなものだな」
師匠が呟く中、ティガーはてくてくとこちらに近づいてくる。ガッチャガッチャと武器が音を立てて揺れた。
「おっすおっすお兄さんにシンデレラ。奴と戦う準備は終えたガオ? たたかわなければ生き残れない!」
「それで、そんな武装を?」
「昨晩はぼろ負けしたからねー。フルアーマー化してみたガオ。これならもう……奴に負けはしねえ……!」
そう言うティガーが新たに装備している武具は、驚くべきことに全てが一級の宝具にも通じる神秘を備えている――なんて筈もなく、ただの粗末な御手製武器にしか見えなかった。使いこんではあるようなので、扱えはするのだろうが。たとえもう一度戦っても、全ての武装を使い切る前にやられてしまいそうだ。
だが指摘しても無駄だということは身に染みて理解している。加えて、自分ひとりでテスカトリポカに挑んでも勝ち目は薄い。共闘を前提にするなら、彼女の力は頼りになるだろう。
そこでふと思い立つ。彼女はジャガーマンになれる能力を持つ村人が他にもいると言っていた。
「あの……他にもジャガーマンになれる方がいらっしゃるんですよね?」
「ジャガーマン?」
「ああ、いえ……えーと、一撃必殺モード?」
「一撃必殺モード……?」
「ティガーさんが仰った名称ですよね……!?」
理不尽さに悲鳴をあげると、ティガーは「嘘嘘、ジョーク!」と茶目っ気たっぷりに笑って見せた。20半ばは過ぎているだろうに、子供のような人だ。
「んー、いるっちゃいるんだけど……」
「その方たちに力を貸してもらうわけにはいきませんか?」
「それは無理ガオ。一応、村の子供が何人か出来るけど、戦うには幼すぎるし。大人で出来る人たちは、君たちの前にきた調査の人を遺跡に案内して帰ってきてないもの」
「っ、それは……」
言葉に詰まる。それはつまり、ほぼ確実に彼女の仲間が死んでいるであろうことを意味していたからだ。
遺跡の調査の為に、彼らは命を落とした。自分も彼女から見れば、彼らを死地に連れて行った時計塔の一員として映るだろう。
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