1: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:32:55.06 ID:/1fb2KCg0
注意事項
・アニメ基準
・武楓
「楓さんってCPのプロデューサーさんとどんな関係なんですか?」
そう尋ねられると、誇らしさと一抹の寂しさが胸に宿る。
「プロデューサーって楓さんとどんな関係なの?」
あの人が私との関係を問われ、素っ気なく答えるのがもどかしい。
私たちの関係が何なのか。言葉にしたいけど、言葉にできない。
言葉にできない痛みを、きっと――
高垣楓
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二ヵ月連続ご理解をまぬがれた決定的瞬間
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2: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:33:48.77 ID:/1fb2KCg0
※ ※ ※
――高垣さん、こっち向いてください。あ、はい。向いてくれるだけで大丈夫です。
3: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:34:42.07 ID:/1fb2KCg0
「失礼します。うちのアイドル部門の人が、高垣さんとお話したいって言ってるんですけど今大丈夫ですか? 面倒なら適当言って断りますから」
「……アイドル部門? うちにあったんですか?」
「ああ、最近のことですから。芸能部門から独立してできたばかりの部署です」
4: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:35:31.76 ID:/1fb2KCg0
「もし貴方が今楽しくないのならば、夢中になれる何かを探しているのなら、一度踏み込んでみませんか。そこにはきっと今までと別の世界が広がっています」
この人は仕事のためかもしれない。けれど不器用なりに私との距離を必死に縮めようとしてくれている。ならば物臭な私の方からも、一歩ぐらい歩み寄ろう。
「急な話で困惑していると思います。マネージャーの方との相談も必要になる話です。ですがどうか……高垣さん?」
5: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:36:22.82 ID:/1fb2KCg0
※ ※ ※
それからというもの急に忙しくなり、目まぐるしい日々となった。
6: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:37:04.57 ID:/1fb2KCg0
――
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7: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:37:47.43 ID:/1fb2KCg0
「あの……私まだとても踊れる状態では」
「ライブといっても小さなライブハウスで行われるものです。そして曲の方は現在作曲中ですが、高垣さんの歌唱力を前提としたバラード……静かな曲なので、踊ったりはせずに動きは軽い身振り手振り程度です」
「そ、そうなんですか。それでもまだ早くないですか?」
8: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:38:28.57 ID:/1fb2KCg0
※ ※ ※
初めてのライブは蜃気楼のようだった。
9: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:39:58.49 ID:/1fb2KCg0
音楽が流れ出す。
メロディーに乗せられて、言の葉を紡ぐ。
観客の表情が、小さなライブハウスのおかけで次々と変わるのが目に映る。
10: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:40:50.81 ID:/1fb2KCg0
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11: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:41:25.16 ID:/1fb2KCg0
※ ※ ※
「そ、そんなの許せません!」
12: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:41:58.10 ID:/1fb2KCg0
※ ※ ※
「すまないがこれは複数の部署をまたいだ決定事項なんだよ」
13: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:42:25.24 ID:/1fb2KCg0
――そこから先の話は、正直覚えていない。
凍り付いてしまった私に部長は慌てて色々と言ってくれたけど、頭に入らなかった。
あの人が……私たちと一緒にいられなくなるのは――――――――――私のせいなんだ。
14: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:43:08.90 ID:/1fb2KCg0
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15: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:43:37.16 ID:/1fb2KCg0
――夏が終わろうとする頃。事務所はある話題で持ちきりだった。
それは海外から会長の娘さんが戻ってきて、役員を務めるという話。それは驚きと共に広がった。
最初は皆、好意的に受け止めていた。
16: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:44:03.65 ID:/1fb2KCg0
※ ※ ※
「よく来てくれた。君の活躍は我が346プロの中でもトップクラス。次の音楽番組で君がメインの特番を組もうと思う」
17: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:44:37.42 ID:/1fb2KCg0
※ ※ ※
「う〜ん」
18: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:45:14.87 ID:/1fb2KCg0
衣装に着替え終わった三人は机に向かいながら、あれこれと何か考えているみたい。いったい何でしょう?
「失礼します」
不思議に思っているとノックの音がして、プロデューサーがドアを開いて顔を出した。
19: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:45:42.96 ID:/1fb2KCg0
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20: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:46:36.76 ID:/1fb2KCg0
※ ※ ※
ステージに上がると、暖かい歓声が迎えてくれる。
21: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:47:14.69 ID:/1fb2KCg0
※ ※ ※
「お疲れさまでした」
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