楓「恋と呼ぶのでしょう」
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16: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:44:03.65 ID:/1fb2KCg0
※ ※ ※



「よく来てくれた。君の活躍は我が346プロの中でもトップクラス。次の音楽番組で君がメインの特番を組もうと思う」

 背筋の伸びた形のいい姿勢は見上げるほど高く、労いの言葉は傲慢ではなく分相応に感じられる。

 挨拶もそこそこに私の評価を伝えて、仕事の話に移る姿勢には素直に感心した。

 自分に自信があって、ストレートでシンプルなモノを好むため無駄を取り除きひたすら洗練させる。あの人とは驚くぐらい対照的な人だ。

「君は選ばれたんだ」

「私がですか?」

 こんなに洗練された大人の女性に認められたら、若い子は素直に従ってしまうだろう。

 私だってあの人と出会う前にここまで自信たっぷりに断言されたら、どうなっただろうか。この人ならば新しい世界に連れて行ってくれると妄信したかもしれない。

「お姫様に粗末な小屋は似合わない。手始めに、このイベントは他の子に回そう」

 そう、出会う前だったら。

「こんな小さな仕事はイメージにそぐわない」

 あの人が用意してくれた初めてのライブ、楽しかったんです。思い出なんです。私のアイドルとしての原点なんです。それを取り除くべき無駄だと扱われた。

「そのお話。お受けできません」


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