14: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:43:08.90 ID:/1fb2KCg0
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それから私はプロデューサーとの距離をとった。
シンデレラプロジェクトという大きな仕事を任せられたあの人に、余計な噂をたてて迷惑をかけるわけにはいかないから。でも距離をとろうにも、同じ事務所にいるからどうしたって顔を合わせる時がある。
シンデレラプロジェクトが始まって間もない頃、ばったりとロビーで出くわしてしまった。
「おはようございます」
うまく平静を装えただろうか?
「おはようございます」
貴方は平静ですね。どうかその平静さが、装ったものでありますように。
そう祈りながら、ことさらに変わらない歩調を意識ながら立ち去っていくと――
「ねえねえ! プロデューサーって高垣楓と知り合いなの!?」
後ろからみずみずしい声が響く。好奇心を隠そうともしない明るい質問に、つい耳をそばだてる。
「ええ」
なんて、素っ気ない答え。
知り合いなんてものじゃありません。そう足を止めて叫びたかった。
貴方たちがプロデューサーと呼んでいる人は、私のプロデューサーなんです。そう訴えたくて仕方がなかった。
でもこんな大勢の人が見ているロビーで、事情を知らないあの子たちにそんなことを言うわけにもいかず、歩調を乱しながら立ち去るしかできなかった。
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