13: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:42:25.24 ID:/1fb2KCg0
――そこから先の話は、正直覚えていない。
凍り付いてしまった私に部長は慌てて色々と言ってくれたけど、頭に入らなかった。
あの人が……私たちと一緒にいられなくなるのは――――――――――私のせいなんだ。
「楓さん……っ」
「……美嘉ちゃん。皆も」
部長の部屋から出てきた私に、廊下で待ってくれていたのか皆が駆け寄ってくれる。
「楓さんの様子から、部長に直談判に行くんじゃないかって思って」
「案の定そうでしたね!」
「どうでしたか! 楓さんが言ってくれたなら部長も考えなおしてくれたんじゃないですか!」
その期待に何も言えず、思わず目をそらしてしまった。それで皆察してくれて、廊下が一気に静まり返ってしまう。
「ごめんなさい……」
「し、仕方ないですよ……楓さんがここまでしてくれたのにダメなら……もう、無理なんですよ」
違うの幸子ちゃん。
私でもダメだったんじゃないの。私のせいで、ダメだったの。
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