楓「恋と呼ぶのでしょう」
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6: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2021/01/30(土) 07:37:04.57 ID:/1fb2KCg0
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「高垣さんはヴォーカルとヴィジュアルの二つは突出していますが、ダンスの方は……別の意味で突出していますね。しばらくは白坂さんと基礎体力をつけるところから始めましょう」

「はい……」

 医務室のベッドで休んでいたらプロデューサーがお見舞いに来てくれて、上半身を起こせるぐらいには回復したので差し入れのアクエリアスを飲みながら今後の話になりました。

 どうやら私の体力はインドアの小学六年生と同レベルのようです。不摂生な生活をしていたことがレッスンの成果でバレバレで、それをプロデューサーに知られてしまったことが恥ずかしい。

 ……そういえば私の身長はもちろんのこと、体重はおろかスリーサイズまで把握しているんですよね。

「プロデューサー……」

「はい」

「……エッチ」

「エッチ!?」

「フフフ、イタッ」

 身に覚えのない糾弾に愕然とするプロデューサーがおかしくて笑ったら、筋肉痛に響いてしまいました。当日の筋肉痛でこれなら、明日はどれだけの痛みになっていることだろう。これは明日もプロデューサーをからかって痛みをごまかさないと。

「あ……あの、それで。今後の予定なんですが」

「はい」

 目をそらしながら話しを続けるプロデューサー。さっき私がふざけてエッチと言ったのを重く受け止めたのでしょうか。誤解を解くにはどうすればいいのだろう? エッチな姿を自分から見せればいいのかしら? でもエッチな姿……エッチな姿か。美嘉ちゃんはよく胸元が開いた服を着ているけれど、胸が小さい私がああいう服装をしていいのだろうか? プロデューサーはそういう服装が好きなんだろうか? そういえば美嘉ちゃんはモデル時代と同じでおっぱいを逆サバしているけれど、アイドルになったんだから本当の――

「高垣さん? 聞いてくれてますか?」

「……え? あ、すいません。何の話でしたっけ」

 つい別の考えにふけってしまっていた。

「高垣さんのライブについてです」

「え……?」

 突然の話に固まってしまう。アイドルとしてスカウトされた以上、いつかはそういう話は来るとわかってはいた。けれど初めてのダンスレッスンで筋肉痛で倒れたところに来る話ではない。


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