19:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:22:15.99 ID:DQhBkFB7O
「私はアッシュを誤解していたのかも……」
「父上がなんだって?」
突然父親のことを持ち出されて怪訝な顔をするチビルークに、ティアは考察を口にした。
20:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:25:07.20 ID:DQhBkFB7O
「もしもあなたが本質的な部分でルークに似ているのだとしたらアッシュに反発していた筈」
「父上に、反発なんて……」
「あら? もしかして、怖いの?」
レプリカ・ルークなら、きっとこう言い返す。
21:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:26:53.72 ID:DQhBkFB7O
「皆さん、進路変更です」
翌日、タルタロス弐号機は進路を変更した。
朝っぱらから叩き起こされたガイが、目をこすり欠伸をしつつ、ジェイドに行き先を尋ねた。
22:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:29:33.65 ID:DQhBkFB7O
「俺は、どうすれば……」
「あなたは我々の後方で待機です」
言われるがまま一行についてきたルークに、ジェイドは当然のように後方待機を命じた。
むっとするが船で待機しろとは言わなかった。
23:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:31:40.47 ID:DQhBkFB7O
『はぁーはっはぁーっ!』
「この頭の悪そうな笑い声は、まさか……」
「どうやら悪い予感が的中したようです」
椅子が回転して正面を向くと、そこには案の定、ディストこと、サフィール・ワイヨン・ネイスが座っていて、ジェイドを歓迎した。
24:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:34:17.79 ID:DQhBkFB7O
『素晴らしい! 流石は我が永遠のライバル! これで! ネビリム先生は完全に復活……』
チュインッ!
ディストの賞賛は、解呪に伴って開いた岩の隙間から発射された光弾によってかき消され、音機関に直撃したことにより、ホログラムは消滅して、強制的に沈黙させられた。
25:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:37:03.99 ID:DQhBkFB7O
「うぉおおおおおおおおっ!!」
真っ先に切りかかったガイは瞠目した。
ガキンッ!
26:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:39:04.92 ID:DQhBkFB7O
「断空剣!」
ズバァッ!
手応えは依然なし。やはり、強固だ。
27:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:40:26.21 ID:DQhBkFB7O
「やったか!?」
「だといいんですが……」
「そうはいかないみたいね」
「火力が全然足りないよぉ」
28:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:42:12.24 ID:DQhBkFB7O
「消えなさい! 旋律の戒めよ……」
「穢れなき風。我に仇なす者を包みこまん……」
「お楽しみを始めるよぉ〜!」
ガイの秘奥義にネビリムが怯んだ隙に、それぞれが己の最高の技を繰り出した。
29:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:43:55.75 ID:DQhBkFB7O
「今度こそやったか!?」
「いいえ、まだです!」
戦闘によって溶けた雪が水蒸気となり辺りに立ち込める。その奥から現れたネビリムは健在。
30:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:45:22.57 ID:DQhBkFB7O
『あは。あはは! あはははははは!!!!』
高らかに響き渡る、ネビリムの勝利の哄笑。
英雄達は満身創痍であり、打つ手はない。
秘奥義ですらトドメを刺すには至らなかった。
31:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:47:06.76 ID:DQhBkFB7O
「くそっ! このままじゃみんなが!!」
「ルーク! 逃げろ!!」
「逃げなさい! ルーク!」
「私たちはいいから、ルークは早く逃げて!」
「ルーク、逃げて!」
32:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:49:11.57 ID:DQhBkFB7O
「なんとか、間に合いましたか」
「助けを呼ぶのが遅ぇんだよネクロマンサー」
実はネビリムに挑む前に、ジェイドが万が一の為の奥の手として増援にアッシュを呼んでおり、錬成飛譜石を搭載したアルビオール3号機に乗って駆けつけ、辛くも間に合ったのだった。
33:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:50:57.21 ID:DQhBkFB7O
「アッシュ! ひとりでは危険よ!」
「チッ! 雑魚が! 近寄るんじゃねぇ!!」
駆け寄ろうとするティアたちに罵声を浴びせ、単独でネビリムと対峙するアッシュ。
あまりに無謀だと誰もが思った、その時。
34:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:52:53.76 ID:DQhBkFB7O
「助かりました、アッシュ」
「ふん。さっさとケリをつけちまえ」
「やれやれ。やはりあなたはルークとは違って、チームでの戦闘には不向きなようですね」
「当然だ。俺とあいつは別の人間だからな」
35:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:54:56.71 ID:DQhBkFB7O
「黄泉の門開くところ汝あり……」
まさしく天に黄泉の門が開き、紫電が迸る。
「出でよ神の雷! ……これで終わりです」
36:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:56:26.84 ID:DQhBkFB7O
「帰ってきた……」
帰還したのはバチカルの宮殿ではなく、旅が始まったタタル峡谷であり、ティアと歩いた。
「あの、大詠師メシュティアリカ姫」
37:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:57:55.32 ID:DQhBkFB7O
「大人になるまで浮気しちゃ駄目よ。約束を破ったら、許さないから。いい? わかった?」
「は、はい! わかりました!」
「約束ね」
そう言って、小指を差し出すティア。
38:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:58:51.79 ID:DQhBkFB7O
この物語はあくまでもひとつの可能性です。
個人的にはルークの生存を信じております。
最後までお読みくださり、ありがとうございました!
39:名無しNIPPER[sage]
2020/01/04(土) 23:35:17.72 ID:A1vHTU/so
乙、いいね
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