ティア・グランツ「私、もう待つのはやめたの」
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36:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:56:26.84 ID:DQhBkFB7O
「帰ってきた……」

帰還したのはバチカルの宮殿ではなく、旅が始まったタタル峡谷であり、ティアと歩いた。

「あの、大詠師メシュティアリカ姫」
「だから、ティアでいいわ」

そうはいかない。これはケジメなのだ。

「僕はもう、ルークになろうとは思いません」

きっぱりとそう言うと、嬉しそうに微笑んで、ティアは頷いてくれた。照れつつも続ける。

「これからは僕なりに、自分の人生を歩もうと思います。それでもし立派な大人になれたら」

今しかないと思った。約束をしたかった。

「その時、またここであなたに会いたいです」

要するに、待っていて欲しかった。
虫が良いし、図々しい話だと思う。
案の定ティアは首を振って断った。

「私、もう待つのはやめたの」
「へ?」
「だから今、言っておくわ……好き」

気づくとチビルークはティアに抱きしめられていて、耳元で甘く、甘く、好意を囁かれた。


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