22:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:29:33.65 ID:DQhBkFB7O
「俺は、どうすれば……」
「あなたは我々の後方で待機です」
言われるがまま一行についてきたルークに、ジェイドは当然のように後方待機を命じた。
むっとするが船で待機しろとは言わなかった。
そのことに首を傾げているとガイが苦笑して。
「ショック療法のつもりかい? 中将さんよ」
「大したことではありません。大人というのは、子供に力を示す義務があるのですよ」
「しかし、中将。あまりに危険です」
「心配は要りません。奥の手が控えています」
ティアが口を挟むと、何やらジェイドは含みのある眼差しと、言葉と、微笑みで黙らせた。
「ミュウにも何か出来ることはないですの?」
「ミュウはあの子の傍についていてください」
「はいですの!」
出口の岩陰に隠れたルークと、その傍に浮かぶミュウの前に出たアニスはくすくす笑って。
「なんか変な感じ。あそこはイオン様のポジションだったのに。いつの間にかあの日のルークより大人になって守ってあげるなんて不思議」
「あなたももう良い年齢ですからね。そろそろ結婚相手でも見つけて子育てをしてみては?」
「中将にだけは言われたくなぁーい!」
「おや? ならばガイ辺りはどうでしょう? 玉の輿ですし、優良物件に違いありませんよ」
「髭を剃ってくれたら考えてみてもいいかも」
そんな馬鹿話をしながら進むと、ティアが。
「シッ。奥に何かいるわ」
「ようやく、お出ましか」
ガイが剣を抜いて油断なく構える。
最奥には、一脚の皮張りの豪奢な椅子が、こちらに背を向けて空中に浮かんでいた。
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