1: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:39:11.40 ID:R409ZOpN0
・アイドルマスターシンデレラガールズの二次創作です。
・独自解釈を含みます。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:40:27.75 ID:R409ZOpN0
きっかけ、ですか。
扇風機がね、落ちてきたんです。
あっ、違いますよ? お部屋に置いて夏に使う小さいのじゃなくて、天井についていて、照明と一緒になっていて、いつものんびりくるくるまわっている、あの……そう、それです! へえ、あれってシーリングファンという名前なんですね。
3: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:41:17.70 ID:R409ZOpN0
何の偶然か、乗っていたのは白菊さんただひとり。 とはいえさっきお話しした通り、まだお互い顔を知っているかどうか―――というぐらいでほとんど面識はありません。
二人で『おつれさまです』とか挨拶して二言、三言やりとりしたら、それで会話がもう続かなくて黙りこくっちゃって。
4: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:42:02.66 ID:R409ZOpN0
いえ、正確には動かなかったんじゃなくて―――たぶん、私を突き飛ばしたあと、白菊さんはそこから逃げる時間がなかったのだと思います。 つまり、動けなかった。逃げ遅れたんです。
幸い『何か』……シーリングファンはすんでのところで白菊さんを逸れました。彼女は無事です。
5: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:42:36.57 ID:R409ZOpN0
だけど、その表情はほんの一瞬でかき消えます。
はっ、と我に返るように、白菊さんの表情に生気が戻って、戸惑い、驚き、恐れ―――そんなごく当たり前のものに変わります。
6: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:43:21.18 ID:R409ZOpN0
●あの子について、思うこと
白菊さんがどういう子なのか、知りたい。
7: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:44:27.49 ID:R409ZOpN0
だけど、すぐに彼女の美点がそれだけではないと気が付きます。
「高森さん。あの……」
8: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:45:01.16 ID:R409ZOpN0
◇
「白菊さん。今日はもう、このぐらいにしておいたほうがいいよ……?」
9: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:45:29.95 ID:R409ZOpN0
◇
二つ目と三つ目の気がかりは、同じ根を持っています。
10: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:46:11.75 ID:R409ZOpN0
◇
「高森さんも、白菊さんにはあまり近寄らないほうがいいと思います」
11: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:46:49.88 ID:R409ZOpN0
「でも、あれはただの噂―――だよね?」
私は出来るだけ穏やかに言葉を継ぎました。
12: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:47:20.00 ID:R409ZOpN0
A子さんの言葉は、続きます。
口を開いたら止まらなくなってしまった、そんなふうです。
13: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:48:11.56 ID:R409ZOpN0
◇
「―――私とほたるちゃんは、同じ日に事務所に入ったんです」
14: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:48:47.69 ID:R409ZOpN0
●あの子と話せたときのこと
色々考えていたんです、色々。
15: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:49:34.74 ID:R409ZOpN0
「い、今のところ大丈夫かな―――白菊さん、準備いいんだね」
「時々あることですから―――」
16: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:50:03.84 ID:R409ZOpN0
「ああ―――もう、もう……!」
「た……高森さん?」
不意にわけのわからない嘆息を吐き出す私に、白菊さんは戸惑いを隠せないようでした。
17: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:51:51.35 ID:R409ZOpN0
◇
高森さんは、『今、自分が死んだ』と思ったことは、ありますか?
18: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:52:38.66 ID:R409ZOpN0
私は、『不幸』が原因で死ぬかもしれない。
そんなことはずっと前から知っていました。
19: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:53:14.41 ID:R409ZOpN0
それまでの私なら、多分そう思ったところで止まっていたでしょう。
だって、できるわけがありません。
20: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:53:53.71 ID:R409ZOpN0
◇
―――結局私は、皆は、知らず勘違いをしていたのだと思います。
27Res/43.01 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20