【モバマス】もしも、明日晴れたなら
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6: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:43:21.18 ID:R409ZOpN0

●あの子について、思うこと

 白菊さんがどういう子なのか、知りたい。

 そう思った私は、まずそれまで自主的に行なってきたダンスの自主レッスンの時間を変えることにしました。

 もちろんそれは白菊さんと一緒にレッスンを受けるため。

 まずとにかくあの子に近づいて、親しくなりたいとそう思ったのです。

 最初はなかなか会話をする機会もありませんでした。

 今思えばあの事故の後ということもあって、白菊さんは私を避けようとしていたのです。

 ただ、幸い―――というわけでもないのですが、きっかけがありました。

 当時の白菊さんは、あるステップを物にできず、苦しんでいました。

 何度も挑戦して、だけど、うまく行かなくて。 何故うまくいかないのかも良くわからない―――そんな感じ。

 そして私は、どうすればそのステップを物に出来るのか、知っていました。

 だって―――実は私もかつてそのステップが物にできなくて、とっても苦労したんです。

 私と白菊さんは似通ったところがありました。

 余り運動神経がいいほうとはいえないこと。

 直感よりは、地道に積み重ねていくことで何かを物にしていくタイプであること。

 先日スカウトされたばかりの白菊さんのダンスは、以前の私に良く似ていました。

 だからつまづくところ、克服できないところがよく似ていたりして。

 今彼女が何を克服できないでいるのか、解ることがあって……

 やがて私の小さなアドバイスがきっかけで、白菊さんはそのステップを物にしました。

 白菊さんと私が一緒にレッスンする機会が増えてきたのは、それからです。

「高森さん、少し、ステップを見てもらっていいですか」

「高森さん、この課題についてなのですが……」

 一度そうなれば、白菊さんは熱心でした。

 折につけそんな風に声をかけてくれるようになって、嬉しくないわけがありません。

 ちょっと目立たなくて内気だけど、素直で熱心。可愛い後輩―――最初のうち、私の感じた白菊さんの印象はそんなところ。


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