14: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:48:47.69 ID:R409ZOpN0
●あの子と話せたときのこと
色々考えていたんです、色々。
一生懸命考えたんです、本当です。
白菊さんたちのために何かしたい。
そのために、白菊さんときちんと話をしたい。
そう思っても、それはとっても難しい。
だってこれは心の話なのです。
おせっかいに踏み込んでいっても、おおきなお世話どころか問題をこじらせるだけかも知れません。
私がこうしてねって言ってどうなる話ではないのです。
年長の先輩に間に立ってもらって、じっくり話す機会を持つべきでしょうか。
プロデューサーさんたちの知恵を、お借りするべきでしょうか。
白菊さんたちの仲を取り持つために、何かの催し物に誘うとかどうでしょう。
それとも下手なことは考えず、どーんと体当たりをするべきなのでしょうか―――
煮つまり気味ではありましたが、本当にいろいろ考えていたんです。
だけど、それらの思案はたった今、全部無駄になってしまいました。
年末も近づいた土曜の昼下がり。
ここはプロダクションのエレベーターの中。
「―――業者さんが来るまで二時間ぐらい、かかるみたいです」
なんだか手馴れた様子で通報装置を使って管理会社に連絡して、状況を知らせてくれるのは白菊ほたるさん。
そう、私達は今、二人きりでエレベーターに閉じ込められているのです!!
いつものようにエレベーターを待っていたらそのエレベーターに白菊さんが乗っていて。
ぎこちなく挨拶を交わして乗り込んだら、そのエレベーターが止まってしまって、これから二時間ふたりきり。
「あの、使い捨てカイロも携帯トイレもありますから……」
そう、やたら準備万端な白菊さんと二人きりなのです!!
これは、覚悟を決めるしかないのではないでしょうか。
とはいえ、何を話せばいいのでしょう……?
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