17: ◆cgcCmk1QIM[saga]
2018/01/04(木) 18:51:51.35 ID:R409ZOpN0
◇
高森さんは、『今、自分が死んだ』と思ったことは、ありますか?
物心ついてからずっと、私の周りではいろいろな事故が起きていました。
小さいこと、大きなこと、本当に色々で―――どれも私や、私の周りの人を傷つけるものでした。
私はそれがつらくて、辛くて―――
いつしか人と、距離をとるようになりました。
そうすれば、傷つくのは私だけです。 それでいい、と思ったのです。
―――ある日、学校からの帰り道。
私のすぐ前に、植木鉢が落ちてきました。
真っ赤なポインセチアが植わった、私の頭の倍ぐらいある鉢でした。
その鉢が、私の鼻先を掠めて落ちてきて、私の目の前でぐしゃりと潰れました。
今までも、何かが落ちてくることはありました。
だから私は、そういう事故にすこし、鈍感になっていたんだと思います。
ただ、その時は、真っ赤に散らばるポインセチアの葉を見て―――思ったんです。
ああ、あの鉢が当たっていたら、私は今死んでいたんだな、って。
あまりに鉢がすぐそばに落ちたので、その想像は強い実感を伴っていて―――突然、身体が震えました。
私は家に帰って、布団にもぐりこんで、震えながら泣きました。
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