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【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】
- 313 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/07/10(水) 15:30:12.82 ID:/WVhDhtX0
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【街中ーー商店街】
【微妙にハズれた天気予報、雨が降るっていうからお気に入りの黒い傘を持ってきたのに、実際は曇り止まりーー夏なのに少し肌寒くて薄手の長袖が欠かせない】
【人もあまり出歩かない微妙な時間帯。いつもは賑わっている商店街は、今は静かに感じる】
【結果的に邪魔になってしまうことになった傘の持ち手を腕にかけ、一人の少女が二つに結ばれた金髪を揺らしながら歩いている】
【生成りの、見るからに肌触りのよさそうな長袖のワンピース。裾についた大振りのフリルが控えめなヒールの音に合わせて楽しげに揺れ、肩掛けバックが少女の腰の高さで跳ねている】
【なんだか育ちの良さそうな雰囲気の少女だが、踊る洋服とは違ってその顔は曇り空みたいに翳っている】
【憂鬱な青い瞳、いつもはにっこりと明るい印象のさくらんぼみたいな唇は固く閉じられ、白い肌は一層青白く、なんなら具合でも悪いのかと感じさせるような、そんな印象を抱かせる】
【ーーやがて少女は足を止め、とあるお店へ消えていった。ーー園芸店。この商店街の中でもひときわ大きく目立つ場所。広すぎて全フロア回るには一日掛じゃないと達成し得ないそんなお店】
【ーー1時間後。買う物が決まっていた少女はそのくらいで園芸店から出てきた……両手にいっぱいのビニール袋に入った植物を持ちながら、ヨロヨロとふらつく足で店を後にする】
【最初は無表情で歩いていた少女だが、やがてその細腕がぷるぷる震え、顔に疲れが出はじめて。腕にかけていた傘がぽとっと落ちた。それを拾うために一旦全部植物を地面に置いて……】
もう……もう、嫌……重い……
【漏れるような声だった】
【長袖にはビニールをぶら下げたせいで深く皺が刻みこまれ、無理に一人で運ぼうとした植物たちは斜めになってーー】
【人通りの少ない道で、少女は一人休むようにその場に丸くなってしまうのであった】
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