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【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】

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363 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [saga]:2019/10/19(土) 00:10:48.81 ID:VTqFJZdy0
>>362

「まあ、お星様は良く見えなくなるけど」「……でも、うんと遅い時間になったら、またお星さまだって見えるようになるし」「寒くなくって、雪が降らなければもう少し良かったんだけど」
「――――そうかもね」「家の裏がすぐに森だったから」「梟とかいっぱい鳴いてた」「――――、皮膚病、まで行かなくたって、そばかすとか出るよ」「……たぶん」

なれば彼女はどこまでも透き通るように真っ白な肌をしていた、一切合切すべての日差しを遮断し続けて生きてきたような色。けれどそんなはずないのだから、生まれついてそうなんだろう。だから、
そばかすだってあるはずもなかったし、なんならほくろだってありそうになかった。――なんてはずはないんだけど。とかくめだつようなもの、彼女の肌にはないんだろう。少し羨ましくなっちゃうぐらいに。

「頑張ってる……」「……まあ、頑張ってるなら、いいけど」「私よりも年下そうだから」

…………。じとりと少しだけ疑る目は、けれど心底の疑念でないんだろう。ふわとため息一つ、私よりも……というくだりは、いくらも何か失礼な気がする。
だって彼女は十六ほどの見た目であったから。――相手より彼女が年上ってはずはなさそうな見た目をしていて、それでも、ごく当たり前に。犬がワンって鳴いて猫がニャアって鳴くぐらい、普通でしょ?とでも言いたげな目。
然るにいくらも子供扱いするみたいな目を向けるのかもしれない。――そこまで含めて揶揄いなのかもしれないけど。それだけ子供っぽく見えるのよ、って、言っちゃうみたいに?

「いや……、私が思ってる神様じゃない方なら、そうかもしれないけど」「お生憎様、天使は信じてないの」「――人種の一つぐらい、でしょ?」「……なんて、」
「神様と何を話していたかって、」「……うーん、」「しばらく家出して、何してたの?って、」「…………それぐらい」「あとは……、」「――――、――」


「ううん、やっぱり、それっぽちかな」


夜の風がざあって空気を柔らかくかき混ぜたら、水面がさあと鳴くみたいだった。ごく細かいさざ波がいくつもいくつもいくつも重なって、やがてお姫様の纏うドレスみたいに、あちらがわまでを全部覆いつくして。
柵に預けた背中と曖昧に絡ました指先と。投げ出すような爪先の仕草一つ、――――ごくなじみの人に向ける声をしていた。だから彼女はやっぱり天使なのかもしれない? ――なんて、そんなはずないけれど。
神様と仲良くしている人がまっとうと言えないのはきっと確かだった。――なのだとして、やっぱり彼女は人間の形をしていて、人間の言葉が通じるから、たぶん、人間なんだろう。少しまっとうじゃないだけの、人間。
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