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【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】
- 241 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/17(金) 00:54:27.00 ID:yufS24Si0
- >>240
【だから彼女は子供なんかじゃなかった。それどころか平均より背は伸びてしまって、なのに身体がちいとも女の子ぽくならなくて、それがずっと恨めしくて】
【どれだけ食べたってちっとも丸みを帯びない身体に辟易していた、ほんのもうちょっとだけでも胸が膨らんでくれたら、その何倍も自信が持てたに違いないのに】
【それからこのまっすぐに落ちるばっかりの腰元だって、途中でほんの一センチ、ううん、二センチ、……、三センチくらい、へこんでくれたなら】
【そこまで来たら、後は、ぺったんこのお尻だって、あとちょっとだけ、ふわふわのパニエ一枚分だけでいいから、女の子みたいに、なってくれたら、……】
【――だからせめて着飾った、ふわふわのフリルとレースとに全部を隠してしまって、それから、真っ黒色の髪の毛、烏よりよっぽど大事に見繕いして、お風呂だってたっぷり入って】
【"幼馴染"の子がくれた林檎の香りの香水をほんの少し。そしたらやっと少しだけ自身が持てた、鏡越しに睨む自分のまなざしが少しだけ和らいだ気がした、――だのに】
【抱き着いてしまったら本当に全部バレてしまう。がりがりに痩せた身体。ふわふわのお洋服は全部はりぼて。髪の毛は確かに真っ黒くて艶やかだけど、林檎の香水は今日してない】
【それに何より醜い言葉だって吐き出してしまった後だから、その全部が無意味になっていた、どれだけ着飾って誤魔化してみせたって、醜悪で痩せぎすな本性、バレちゃったから、でも、】
【もしかしたらおんなじかしら。誰にも言ってないほんとの気持ち伝え合ったなら、「すき」も「きらい」ももらえなかったけど、「おともだち」、――それも確かに大事な言葉】
ごめんなさい………………。
【ちいちゃく揺らした首が何度目かも分からぬ謝罪を繰り返したなら、ぎゅうってすがる指先、一から十まで、全部そろってるって、その背中に伝えていた】
【誰にもあげてない。それだけが答えだった。だから多分怒られないで済んだ。その肩口に何度も何度も雫を落とすなら、あっという間に肩のところをびしょびしょにしてしまって】
【あるいはきれいな赤色の髪だって濡らしてしまうんだろう。それでも二人やっぱりそんな余裕ありはしないから、――だから、せめて仕返しに、彼女の髪だって濡らしてよかった】
(【「一応**語だけど、……、たまに翻訳変なところあるし、なんか、知らない食材を当たり前に使うから、よくわからなくって」】)
(【「携帯忘れちゃったの、――――*****って食べ物、なに? やさい……? っぽいけど、野菜の……なに? なんて草がどうなってるやつなの? 味は?】)
(【あまり怯えた風な様子は見せないのだろう。変なところで気が強かった。そのくせ変なところで気が弱かった。そういう子だった。だのに机のとこ、簡単に取りついて、】)
(【ありがとって笑って一緒に調べものタイム。なんとなくわかっちゃえば、二人で同じ本覗き込んで、謎の食材を推察したり、誤植を探して、そしたら、なんか、気が向いちゃって】)
(【二人での土曜日、外国の食べ物ばっか売ってる市場行ってみようよなんて話にだってなっちゃうのかも。そしたら帰りに動物園でパンダでも見ようか? パンダが先でもいいんだけど】)
(【そしたら次の日曜日には買ってきたもので一緒にこの料理作ってみよう。よくわかんなくなっても文句はいいっこなし。おいしくなくっても誰も責任取りません。そんな、約束して、――】)
- 242 :以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします [sage saga]:2019/05/17(金) 00:54:43.24 ID:yufS24Si0
- >>240>>241
――――――――――――――――――――――うん……。
【――耳と耳を擦り合わせるように頷いた、濡れてしまった髪の毛同士を絡ませるように、そしたら赤と黒、交じり合って、彼女の目の色みたいになるのかしら、なんて?】
【ちぐはぐな色した目はきっと違う世界を見せていたんだろう。いいこの世界とわるいこの世界。たぶんそう。なら今は交じり合ってしまって、やっと初めて、普通の子、なんて?】
【そんな風に言っちゃうのは大雑把すぎるのかもしれないけど。それっぽちじゃ何もかも言い訳には足りないのかもしれないけど。だからきっとなんにも足りないんだけれど、】
【やだって言わない。さいごなんて言わないでほしいなんて言わない。だって、――だって、夕月はずうっと味方でいてくれた、恩返しにはまだまだ足りないけど】
【ねえだってお友達が、――自分のいのちに納得できないままだなんて、そんなの、嫌だから、(だから、)】
ありがとう――――――。
【許さなくっていいから、さいごだなんて言わないで、――そんな風に言える勇気なんてありはしないんだ。許してほしい。何を。――わかんないけど、たぶんきっと、なにもかも】
【だからいつしか霧なんて出ているはずもなかった。足元には薄っぺらい水鏡なんてなかった。だからここは間違いなく現世で、だのに向こう側に覗き見える桜の花だけ、変わらない】
【だけどとりあえず蛇たちはいなくなっていた。多分帰っちゃってた。お見送りが必要なら彼女がするんだと思われた。――もちろん、もっと、おしゃべりしていても、いいから、だって、】
【(ずっと味方でいてくれて)(こんなところまで来てくれて)(秘密のお話してくれて)(許してくれて)いろんなこと全部、全部、――ありがとう、伝えきれて、いないから、】
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