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【枯れても走ることを】能力者スレ【命と呼べ】
- 3 : ◆S6ROLCWdjI [sage]:2019/03/23(土) 13:40:09.43 ID:mHCNoPnp0
- 【街中】
【そいつは今日も買い出しに出かけていた。向かう先はスーパー。今日も今日とて料理の練習をしたくって】
【無数にブックマークしてあるレシピサイト。はたまたSNSのお料理アカウント、見ながら何を作ろうか】
【鼻歌交じり、呑気に考えているだけだった。だけだった、はず、なのに】
………………あれっ?
【スマホの液晶を撫でる指先がふと凍りつく。フォローしているお料理アカウントのひとつ、ホームを覗いて】
【目が釘付けになる――料理のりの字もないよくわからないリツイート。じっと見つめるのなら】
【そこからハッシュタグに飛んで、さらにまとめサイトにまで飛んで――歩む足取りが完全に止まる】
【黒いオーバーサイズのスウェットを、ワンピースみたいに着ている少女。目立つ赤髪。スマホを見つめる視線も同色】
【すっかり暖かくなったからタイツの類は履かないで――生足の先に靴下と、これもまた真っ赤な厚底靴】
【そんな出で立ち。街中に溶け込むにはまあすこし髪が目立つ、その程度の子だったけれど】
【(友達が実はカルトの残党だった。そしてそれを知り合いが――伴侶の属する組織が、工作して匿っていた)】
【(そんなことを知ってしまった。だけど彼女にとっては「そんなこと」どうでもよかった)】
【(一番肝要だったのは――ひとつだけまとめられた呟き、しかしさしたる反応もされなかったはずのそれ)】
【 「相手の女、冒涜者じゃね?」 】
…………………………、う、……ゔぇ、っ、
【――流れ続ける人混みに肩を押されて。思い出したかのように二歩、三歩ふらついてから――蹲る】
【スマホを持つ手と逆の手で口元を押さえていた。気分が悪くなったようだった。そうしていれば流れる人々も】
【さすがに少女を放置するわけにはいかなくなって――「大丈夫ですか?」「気分悪いの?」】
【彼女を囲むようにして、ほんのちょっとした人集りができる。その中心で彼女は――顔を、真っ青にしていた】
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