斧乃木余接「実はいま、僕はパンツを穿いてない」
↓ 1- 覧 板 20
1:名無しNIPPER
2020/01/21(火) 00:36:15.09 ID:igAIR0zkO
「なあ、斧乃木ちゃん」
「なんだい、鬼のお兄ちゃん」
とある日の晩。
暇を持て余した僕は前々から気になっていたことを童女の居候兼、100年使われた付喪神である式神の斧乃木余接に尋ねてみることにした。
「特に深い意味はないんだけど、影縫さんと臥煙さんってどっちの方が胸が大きいんだ?」
「特に深くはないけど不快な質問だね」
斧乃木余接は無表情で適切なツッコミをした。
「教えてくれよ。頼む! こんなこと、君にしか聞けないんだ。僕を助けると思ってさ」
「鬼のお兄ちゃんは救いようがないと思うよ」
救いを求める僕に斧乃木ちゃんは辛辣だった。
「じゃあこうしよう、斧乃木ちゃん。教えてくれる代わりに僕に出来る範囲で何かする」
「何かって? 近所の交番に駆け込んで、お巡りさん僕です! って、自首するとか?」
そんな斬新な自首の仕方は御免被りたい。
「今はまだ、臭い飯は食べたくない」
「将来的には食べてもいいんだね」
「その時は、その時さ」
たとえ豚箱にぶち込まれて臭い飯を食う羽目になろうとも僕は2人の胸のサイズが知りたい。
SSWiki : ss.vip2ch.com
2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 00:40:14.96 ID:igAIR0zkO
「やれやれ。鬼のお兄ちゃんは困った人だね」
深々と溜息を吐いた斧乃木ちゃんは、おもむろに僕のベッドの端に腰掛けて、カラフルなタイツに包まれた存外肉付きの良い脚を組んだ。
「ひとまず、僕のタイツを脱がせて貰おうか」
3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 00:43:41.17 ID:igAIR0zkO
「し、忍……」
「忍姐さんは邪魔しないで」
「うぬは黙っておれ、この泥棒童女が」
突然の介入に不満げな斧乃木ちゃんに忍はぴしゃりと一喝して黙らせて、僕に向き直り。
4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 00:45:40.06 ID:igAIR0zkO
「ありがとな、忍」
「ふん。この程度、夕飯前じゃ」
僕の指を夕飯前のおやつにされては困る。
5:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 00:47:48.18 ID:igAIR0zkO
「ついさっき痛い目にあったばかりじゃろ!」
「面目ない……」
すまねぇ、すまねぇと反省するも童女はまた。
6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 00:49:51.59 ID:igAIR0zkO
「ん……?」
「気がついたか? 我が主人様よ」
目が覚めると床にうつ伏せで寝ていて。
頭上から忍の声が降ってきた。なんだこれは。
7:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 00:51:52.13 ID:igAIR0zkO
「ふむ。案外、悪くない肉座布団じゃな」
「肉座布団って響きが、実に僕好みだよ」
肉座布団。それが今の僕だった。
これ程の屈辱を未だかつて感じたことはなく。
8:名無しNIPPER[sage sapa]
2020/01/21(火) 00:53:31.64 ID:igAIR0zkO
「ならば、自らの過ちを認めるのじゃな?」
忍に論破されてあっさり追い詰められた僕は、最後の手段である黙秘権を行使して沈黙した。
「だいたい、何故こんな童女に手を出した」
9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 00:55:08.50 ID:igAIR0zkO
「ご、誤解しないでくれ、斧乃木ちゃん」
「言い訳は聞きたくない」
言い訳をするなと斧乃木ちゃんは言った。
ならば、ここは思いを伝えよう。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 00:56:45.14 ID:igAIR0zkO
「僕のどんなところが魅力的なんだい?」
「ノーパンなところ」
「おい」
いけない、いけない。気を抜くとすぐこれだ。
11:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 00:58:37.02 ID:igAIR0zkO
「なあ、斧乃木ちゃん」
「なんだい、鬼のお兄ちゃん」
「どうして今日に限ってノーパンなんだ?」
あまり真面目に話しているとボロが出る。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 01:00:36.48 ID:igAIR0zkO
「僕もひとつ聞いていい?」
「なんだい、斧乃木ちゃん」
「どうしてお姉ちゃんと臥煙さんの胸のサイズが気になったの? あの2人が好きなの?」
「なんじゃそれは。お前様、聞いておらんぞ」
13:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 01:02:22.08 ID:igAIR0zkO
「ま、完全体の儂に敵う胸などおらんがな」
たしかに、一理ある。
完全体のキスショットは規格外だった。
唯一対抗可能なのはブラを外した羽川くらい。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 01:03:57.73 ID:igAIR0zkO
「そもそもの話じゃ、お前様よ」
ペシペシ後頭部を叩きながら忍に説教された。
「儂とて常時ノーパンなんじゃが?」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 01:08:26.81 ID:igAIR0zkO
undefined
16:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 01:09:59.14 ID:igAIR0zkO
「鬼のお兄ちゃんはこれから時代に則した言動を心がけた方がいいよ。友達として忠告する」
時代に則した言動。NGワードを避ける。
それは果たして本音と言えるだろうか。
周りの目を気にして自分を誤魔化して。
17:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 01:11:57.20 ID:igAIR0zkO
「なんじゃ、お前様よ。怖気づいたのか?」
「覗くなら早く覗きなよ。寒い」
怖気づいただと。馬鹿を言え。
たしかに僕は小刻みに震えていた。
18:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 01:14:06.61 ID:igAIR0zkO
「なんや、阿呆面晒してけったいな格好やな」
床に仰向けで寝転がり茫然自失として、蛍光灯の逆光を背負う影縫余弦と僕は対面した。
「ど、どうして、ここに……?」
19:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 01:16:50.91 ID:igAIR0zkO
「さて、阿良々木くん」
「はい……なんですか?」
改まって名前を呼ばれ、寝転んだまま身構える僕に見せつけるように影縫さんは携帯を出し。
20:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 01:19:01.50 ID:igAIR0zkO
『やれやれ、君は困った若者だね。よもや私と余弦の胸囲に興味を持つとは、驚異的だ』
僕の驚異的な劣情を嘆き、臥煙さんは命じた。
『余弦、仕事だよ』
21:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/21(火) 01:21:44.75 ID:igAIR0zkO
「し、忍! 助けてくれ!」
「お前様よ、安心せい。死ぬことはない」
それはそうかも知れないけど、尊厳が死ぬ。
25Res/22.38 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20