遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
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276: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:27:06.19 ID:ABaWR+nR0


「そうか……いやそうだな。我は疲れてしまったのかもしれん」


以下略 AAS



277: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:27:32.11 ID:ABaWR+nR0


「……」


以下略 AAS



278: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:28:18.61 ID:ABaWR+nR0

 それは、一か八かの賭けであった。俺は、魔王から繰り出される鉄の拳を目で追う。これを捕らえられなければ、体勢を崩した俺は次撃で死ぬことだろう。そのあまりの緊張感からか、時間がやけに遅く感じられる。俺は、スローモーションの世界の中で魔王の機械の腕を半身で受け流し、そのまま伸び切った腕を脇で固めた。


「うおおおおおおお」
以下略 AAS



279: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:28:45.89 ID:ABaWR+nR0
 魔王も、千鳥足テレポートが使えるのか。だが何故、普通のテレポートではなく千鳥足テレポートを使ったのだろうか。そんな俺の疑問を察して、遊び人が間髪入れずに声をかけてくる。


「普通のテレポートじゃ、私に逃げ先を悟られると思ったんでしょ! 勇者! 私たちも千鳥足テレポートで追うよ!」

以下略 AAS



280: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:29:12.98 ID:ABaWR+nR0


「手伝うさ。俺には教会にも頼れる伝手がある。なにも魔王軍を手中におさめる必要はない」


以下略 AAS



281: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:29:53.18 ID:ABaWR+nR0
 日の光が僅かにさしこむ倉庫。その、両脇には木箱が高く積み上げられ少ない日差しを更に遮っている。どこか懐かしい香りのする場所だ。


 千鳥足テレポートは大成功だった。そこには、扇情的に縛り上げられた彼女の体を片手でほどくこうと苦戦している魔王がいた。

以下略 AAS



282: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:30:21.84 ID:ABaWR+nR0

 魔王の驚いた表情を見るのは、今日だけで何度目であろうか。俺たちが、千鳥足テレポートを使えることを知らない魔王にとっては、俺たちがいかにして魔王を追ってこれるのか理解ができないのであろう。


 木箱の山のお次は、樽が大量に敷き詰められた石造りの部屋だった。部屋には冷たい空気が満ちていた。どうやら、何かの保管庫らしい。そこには、窓が一つもなく蝋燭の灯だけがゆらゆらと俺たちの姿を照らしている。
以下略 AAS



283: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:30:48.64 ID:ABaWR+nR0


 どうしてこの魔法を使った後は、みんな驚いた表情で出迎えてくれるのだろうか。いや、突然何もないところから腰から頭を吊り下げた男が現れたらそうなるのも仕方ないか。というわけで、大柄で禿頭の男は俺たちを見て開いた口がふさがらない様子を見せつけてくれている。

 その手には、酒をグラス注ごうと傾けられたビンが握られており、驚きで固まった大男は既にグラスが酒で満ち溢れているのに構わず注ぐ手を休めようとしていない。……って、この大男、いつかの宿屋の主人ではないか。
以下略 AAS



284: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:31:14.71 ID:ABaWR+nR0


「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」


以下略 AAS



285: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:31:42.01 ID:ABaWR+nR0

 
 魔王は、隻眼のミノタウロスに支えられ小さな樽に腰かけている。周囲の魔物たちが、これでもかと甲斐甲斐しく介抱し魔王は幾分かの体力を取り戻したようだ。

 
以下略 AAS



286: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:32:09.18 ID:ABaWR+nR0

 俺は、軽やかにステップを踏み身体の調子を整える。対する魔王は、付けたばかりの義手を相変わらずグルングルンとまわしている。


「合図が必要だな」
以下略 AAS



287: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:32:35.64 ID:ABaWR+nR0

 一体何発のパンチを見舞い、何発のパンチをもらっただろうか。膝が震え、肩を揺らし、目は腫れ視界がかすむ。まともな人間、まともな魔族であれば幾百回の死を迎えるであろう威力を正面から受け止め俺と魔王はともに限界を迎えつつあった。


 白く霞んだ世界から、突然魔王の拳が目の前に現れた。精神が高まっているせいか、その拳はひどくゆっくりと俺に向かって飛んでくる。何とか交わそうと、上体を揺らすが力が思うように入らない。
以下略 AAS



288: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:33:03.37 ID:ABaWR+nR0


 ミノタウロスが、俺の顔を覗き込んでくる。


以下略 AAS



289: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:33:30.82 ID:ABaWR+nR0


 翌朝、目が覚める。傍らには、遊び人の頭が転がっていた。すやすやと気持ちよさそうに、寝息を立てている。
 周囲を見渡すと、倉庫の地べたに魔物も僧兵たちも入り混じれて雑魚寝している。倉庫の中には血や汗、そしてビールの混じり合った酷い匂いが立ち込めている。どうやら、勇者の祝勝会と魔王の残念会が同時に、そして盛大に行われたらしい。

以下略 AAS



290: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:33:57.76 ID:ABaWR+nR0
――――――

エピローグ

――――――


291: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:34:24.74 ID:ABaWR+nR0

 目の前に置かれた逆三角形のグラスには、赤い液体で満たされ、更にその中にはチェリーがプカプカと浮かんでいる。


「マンハッタンでございます」
以下略 AAS



292: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:34:51.71 ID:ABaWR+nR0

「ん」


「だからさ、また旅に出ようよって話をしてるの」
以下略 AAS



293: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:35:19.43 ID:ABaWR+nR0


――――――

遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」 
以下略 AAS



294: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:41:33.30 ID:ABaWR+nR0
長らくお付き合いいただき有難うございました。
変なところがあれば指摘してもらえると助かります。頂いたご指摘は、小説家になろうに投降している同作品の方で修正していきます。

酔いどれ勇者は、今日も千鳥足で魔王を追っています!
https://ncode.syosetu.com/n4689et/
以下略 AAS



295:名無しNIPPER
2019/06/09(日) 00:01:37.20 ID:4R9QK5Njo
おつおつ
次も期待しているぞ!
魔王倒したから酔えるようになったのかなめでたい!


296:名無しNIPPER[sage]
2019/06/09(日) 01:54:26.84 ID:AxKE45/DO
そういやなろうの方も有ったんだわな
もうガラケーから見れないから忘れてた
何はともあれお疲れ様


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