遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
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276: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:27:06.19 ID:ABaWR+nR0


「そうか……いやそうだな。我は疲れてしまったのかもしれん」


「……なにがあった」


「長年離れて暮らしていた娘が帰ってきて、喜んでいたのも束の間。我が娘は、魔王軍の一員として命令をしっかり聞くのは身体だけで、頭の方は、常に我へと罵詈雑言を投げつけてくる……。今は、娘がいなかった時より辛い……」


 遊び人を見ると、口笛を吹く素振りをしている。その様相に、魔王の言葉が真実であることを俺は確信する。なにが説得を続けていただ、実の父親に罵詈雑言を浴びせることはもはや説得とはいえないぞ。


「勇者、魔王を倒して! そうしたら、次の魔王には私がなる! そうなれば体の制御もきくようになるし魔王軍もよりよくなる!」


 魔王が深いため息をついた。


「娘の言うことは聞かないでくれ。我としても、もう人間たちと争うつもりはない。それに、娘がそう願うのであれば娘の体のほうも我が何とかして……」


 言葉に詰まる。


「我が娘よ……体はどうした?」


 あ……。


 魔王の問いかけに応じるかのように、部屋の隅でガタガタと物音が鳴った。まずいまずいまずいまずいまずい! いま、彼女の体を見られると非常にまずい! 勇者の直感が、全力で危険を知らせてくる。だが俺には、魔王の視線が物音の方へと向くのを止めることはできなかった。


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