291: ◆CItYBDS.l2[saga]
2019/06/08(土) 22:34:24.74 ID:ABaWR+nR0
目の前に置かれた逆三角形のグラスには、赤い液体で満たされ、更にその中にはチェリーがプカプカと浮かんでいる。
「マンハッタンでございます」
マスターに、「ありがとう」と感謝の意を伝え、グラスに口をつける。
「ねえ、私の話きいてた?」
白と黒のチェック柄のワンピースに、赤いマフラーをまとった、金髪の美少女が不満げに話しかけてくる。
「ごめん、聞いてなかった。なんだって?」
「もう!」
彼女は、プリプリと頬を膨らませて見せる。
「まぁまぁ、ほらこっちもできたよ」
マスターが、彼女の前に俺の物と委細同じカクテルを届ける。彼女は、打って変わって嬉しそうな表情をうかべ、それを一気に飲み干した。
「だからさ、教会と魔王軍が手を組んで酒造業界一丸となって禁酒法と戦う道筋はできたんだし。私たちも時間が空いたわけじゃん」
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