1:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:01:55.08 ID:k4J2UGZx0
タイトルの通り、踊る大走査線の糞SSです。
真下が湾岸署の新署長として登場しますが、和久さんが生存しているお話です。
Movie3からの新キャラは出てきません。
以上のことを踏まえてご覧下さいませ。
それでは、以下本編です。
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2:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:03:27.86 ID:k4J2UGZx0
その日の朝。
湾岸署にいつも通り出勤した青島は、ふと違和感を覚えた。何かがおかしい。
署内に喧騒が満ちている。これはまずいい。
普段からこの警察署は騒がしい。それは確かだ。
しかし、目の前に広がる光景は、おかしい。
3:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:05:50.89 ID:k4J2UGZx0
青島「おはようございまーす!」
和久「朝からデカい声出すな。腰に響く」
警官になる前のセールスマン時代に身につけた持ち前の快活さを発揮して元気に挨拶をする青島に、和久は小言を言ってきた。
4:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:07:43.98 ID:k4J2UGZx0
すみれ「ほら、これでも飲んで元気出して」
青島「おっ!サンキュー!」
すっかりしょげてしまった青島にすみれはコーヒーを淹れてくれた。お礼を言って受け取る。
5:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:11:13.78 ID:k4J2UGZx0
魚住「これはこれは真下署長。おはようございます」
現れた真下に、刑事課の課長である魚住二郎が慌てて駆け寄り、恭しく朝の挨拶を述べる。
もちろん、揉み手をしながら。
6:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:14:08.56 ID:k4J2UGZx0
青島「なーに朝から威張ってんだあいつ」
すみれ「そういうお年頃なんじゃないの?」
我先にとコーヒーを飲み始める署員達を尻目に、言われるまでもなく既に命令を実行に移していた青島とすみれは、陰口を囁き合う。
7:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:17:35.29 ID:k4J2UGZx0
そんなひと騒動が終わった後、青島達署員はひたすら書類仕事に黙々と取り組んだ。
刑事課が出動する事件など、早々起こらない。
ましてや強行犯係ならば尚更だ。
大抵は街の交番がなんとか解決する。
8:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:18:02.91 ID:2cAglWono
コーヒーに盛ったか?
9:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:20:20.67 ID:k4J2UGZx0
青島「はいはーい!ちょっと通してね」
緒方「強行犯係です。どうしましたか?」
通路に出ると、人垣が出来ていて、そこが事件現場であると察した彼らは野次馬どもを押し退け、現場の保護と聞き込みを行う。
10:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:23:06.02 ID:k4J2UGZx0
中西「あ、青島くん……これは事故ではなく、事件だ。どうか、僕の仇を討って欲しい」
床に這いつくばったまま、青島を見上げて中西は懇願する。仇を打てと。極めて物騒である。
青島「どういうことっすか?」
11:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:26:04.37 ID:k4J2UGZx0
中西「君達が出勤してくる前に、突如便意を催した僕はトイレに急行した。しかし、トイレには長蛇の列が出来ていて、しかも、トイレに入った人達はなかなか出てこなかった」
その話を聞いて、ぞっとする。
それと同時に納得もした。
確かにトイレには今朝、長い列が出来ていた。
12:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:27:42.80 ID:k4J2UGZx0
青島「ちょっと!何してんの!?」
緒方「すみません……!すみません……!」
慌てて後ずさる青島に滂沱の涙を流しながら謝罪をする緒方。彼は立ったまま脱糞していた。
13:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:30:19.19 ID:k4J2UGZx0
その頃。
警視庁捜査一課は俄かに慌ただしくなった。
湾岸署で『うんこハザード』が確認された。
その一報を受けて、凶悪犯罪を担当するエリート捜査員達の派遣が決定されたのだ。
14:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:34:19.98 ID:k4J2UGZx0
湾岸署に続々と捜査車両が到着する。
最初に現れたのは警視庁の鑑識課だ。
アタッシュケースに入れた様々な試験薬や道具を運び入れ、『うんこハザード』の具体的な原因を探っていく。鑑定のエキスパートだ。
15:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:37:52.57 ID:k4J2UGZx0
署内に入った室井は革靴を響かせて会議室を目指す。道中の有り様は酷いものだった。
そこら中に便が撒き散らされ、署員が呻く。
凄まじい臭気が鼻をつき、胃液がせり上がる。
しかし、そんな中でも黙々と作業を続ける鑑識課の者達の前で、みっともない姿は晒せない。
上に立つ者の矜持が、室井の理性を守った。
16:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:39:43.70 ID:k4J2UGZx0
青島「……仲間が漏らした」
ポツリと、泣きそうな声で青島が呟く。
思わず目を見張り、胸倉を掴む手を緩める。
青島が……泣いていた。
17:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:42:18.87 ID:k4J2UGZx0
その後、捜査会議で事件について話し合った。
事件発生時刻は本日早朝。
まず当直の署員がやられた。
彼らは腹痛によってトイレに籠らざるを得なくなり、その後1時間近く個室を占拠した。
18:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:44:14.78 ID:k4J2UGZx0
すみれの悲痛な叫びに言い知れない不安を抱いた青島は、会議を中座して刑事課へと急いだ。
そこに、和久が倒れ伏していた。
青島「和久さん!?」
19:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:47:16.05 ID:k4J2UGZx0
青島「和久さん俺、もうどうしたらいいか……」
和久「泣き言を言うな。頭で考えるんじゃなく、足を使え。お前はまだ、歩けるだろ?」
途方に暮れる青島を、突き放すような口調。
20:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:49:35.37 ID:k4J2UGZx0
すみれ「いや!離して!私じゃないっ!!」
公安「黙れ。大人しくしろ」
青島「待ってください!!」
21:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:51:53.93 ID:k4J2UGZx0
青島「わかりました。なら俺が連行します」
すみれ「青島くんっ!?」
室井の苦悩を見透かした青島が、先手を打つ。
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