9:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:20:20.67 ID:k4J2UGZx0
青島「はいはーい!ちょっと通してね」
緒方「強行犯係です。どうしましたか?」
通路に出ると、人垣が出来ていて、そこが事件現場であると察した彼らは野次馬どもを押し退け、現場の保護と聞き込みを行う。
しかし、保護する必要も、そして聞き込みすら必要なかった。何が起きたのかは一目瞭然だ。
青島「……漏らしてるな」
緒方「ええ。間違いありません」
うつ伏せで床に倒れ伏す男性署員。
彼の尻とその周りの床に便が広がっている。
かなり水気の多い、下痢便である。
現場の保護をするまでもなく、野次馬は必要以上に近寄ろうとはしない。だって、臭いから。
青島と緒方はハンカチで鼻を覆いつつ、ものすごい臭気を発するその人物へと歩み寄る。
そしてうつ伏せで気を失うその人物の顔に、見覚えがあることに気がついた。
中西「うぅ……」
青島「中西係長じゃないっすか!?」
緒方「しっかりして下さい!!」
便に塗れていた男性署員は中西係長だった。
彼は刑事課の窃盗犯係の係長である。
つまり、恩田すみれの上司だ。
その為、青島は咄嗟にすみれを呼ぼうとした。
青島「今、すみれさんを呼んで来ますから!」
中西「ま、待て。彼女には言わないでくれ」
青島「でも!」
中西「僕は刑事として、覚悟は出来ている」
下痢便に塗れながらも中西の目には力がある。
少しばかりの逡巡の後、青島は頷いた。
それを見て、漏らした中西はほっと安堵した。
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