青島「どうして署内でうんこが漏れるんだ!」
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14:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:34:19.98 ID:k4J2UGZx0
湾岸署に続々と捜査車両が到着する。

最初に現れたのは警視庁の鑑識課だ。
アタッシュケースに入れた様々な試験薬や道具を運び入れ、『うんこハザード』の具体的な原因を探っていく。鑑定のエキスパートだ。

ややあって、捜査員一課の刑事が現れた。
彼らは糞塗れの所轄警察官には目もくれず、湾岸署の会議室を占拠した。冷徹そのもの。
出世の為なら手段を問わない、捜査畑の職人。

だいぶ間を空けて、公安部も到着した。
彼らはまるで人目を避けるように、正面玄関からではなく裏口から入ってくる。
手荷物は必要最低限。普段あまり人気のない資料室の片隅に巣を作りひそひそと声を潜める。
警察官の悪事を暴く、プロフェッショナルだ。

そんな物々しい彼らが現場を制圧した後も、被害者は増加していた。増え続けている。
署内の全てのトイレには未だに長蛇の列が伸びているし、中には署内から逃亡して、外で用を足そうと考える者が続出した。

しかしそんな逃亡者を機動捜査隊が阻む。
ポリカーボネート製の強固な盾を並べて、鼠一匹逃さない完璧な布陣。湾岸署は封鎖された。

現在、湾岸署には戒厳令が敷かれている。
便に塗れた署員の姿を衆目に晒す訳にはいかないのだ。警察庁からの厳命である。

腹を押さえて盾を叩く署員を必死に宥める。
しかし、便意に取り憑かれた彼らの耳には届かない。また1人、また1人と下痢便を漏らす。

訓練された機動捜査隊員達が堪らず目を背けるような地獄絵図。そんな中、1人の男が現れる。

室井「……通してくれ」

かっちりとしたダークスーツを身に纏う室井が警察手帳を翳すと、機動捜査隊員達は即座に敬礼して、道を開けた。畏怖すらも感じる。
これもまた絶対的な縦割り社会。
だが、彼らの遥か上を歩む室井は、他の超越者達とは違う。少々変わっているとも言える。
彼は便を漏らして泣き喚く湾岸署の署員の傍に膝をつき、深々と頭を下げた。

室井「……遅くなって、すまない」

短い謝罪。その後、顔を上げる。

その目には、事件解決への決意が満ちていた。


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