16:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:39:43.70 ID:k4J2UGZx0
青島「……仲間が漏らした」
ポツリと、泣きそうな声で青島が呟く。
思わず目を見張り、胸倉を掴む手を緩める。
青島が……泣いていた。
青島「どうして署内でうんこが漏れるんだ!」
今度は室井が胸倉を掴まれる番だった。
泣きながら、青島は問う。どうして、と。
しかし現状、それに対する答えを室井は持ち合わせていない。それは青島もわかってる。
沈黙を貫く室井を、乱暴に突き飛ばす。
よろめきながらも、室井はシャツの襟を直す。
そして、青島に向けて命令した。
室井「捜査を立て直す。……力を貸してくれ」
不器用な室井の命令は、半ば懇願であった。
しかし、それが実に彼らしい。
そんな室井の頼みを、青島は快諾した。
青島「任して下さい。俺達の湾岸署ですから」
そう嘯いて涙を拭い、笑顔を見せる青島を従えて、室井は久しぶりの捜査会議へと赴いた。
キャリアとノンキャリ。現場をよく知る青島を室井は重宝し、しっかりと手綱を握る。
互いが目指すところは事件解決の一点のみ。
それだけを胸に携え、彼らは共に歩む。
けれど室井は気づかない。
青島の喉元に浮かぶ、冷や汗をことを。
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