5:名無しNIPPER[sage]
2017/05/31(水) 21:11:13.78 ID:k4J2UGZx0
魚住「これはこれは真下署長。おはようございます」
現れた真下に、刑事課の課長である魚住二郎が慌てて駆け寄り、恭しく朝の挨拶を述べる。
もちろん、揉み手をしながら。
魚住「見回りですか?朝から精が出ますな」
真下「ああ。署内を見回るのも、署長の勤めだからね」
元部下の真下に対してすっかり腰巾着と化した魚住に、署長は尊大に応じる。
これが国家公務員第T種と第U種との格差だ。
キャリアとノンキャリの違いである。
真下「そんなことより魚住課長」
魚住「なんでしょう?」
真下「コーヒーはもう飲んだかね?」
唐突な真下署長の問いかけ。
質問の意図がわからず魚住は困惑する。
魚住「いえ、今朝はまだ飲んでいませんが……」
真下「早く飲みたまえ」
魚住「なぜでしょう?」
真下「コーヒーに含まれるカフェインによって、眠気が緩和され、仕事が捗るからに決まっているでしょう。いいから早く飲みなさい」
早口でそうまくし立てると、真下は声を張り上げて、他の署員達にも同様に命じる。
真下「署員全員、今すぐコーヒーを飲むこと!これは署長命令だ!従わなければ服務規定違反で左遷する!!ほら、早く飲んだ飲んだっ!」
その命令によって、コーヒーメーカーに長蛇の列が出来る。左遷などたまったものではない。
その様子を、真下はにこやかに眺めていた。
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