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【剣と魔法と】ここだけ世界の境界線★24【光線銃】
- 671 :クルト・カントール【深紅の篭手】 [saga]:2019/05/16(木) 23:54:02.29 ID:Q5if+MqPo
- >>670
トンネル内を走るパイプの亀裂から黒い霧が漏れ出でた。
真っ暗闇の視界なのになぜそれが把握できるのか?その疑問に答えられるものはいない。
「………」
そして、反対路線から振動が響き光が差す、ガトンゴトンと音を立てないままに走る地下鉄が映った。
むろん、メトロを走るマトモな地下鉄車両など一両として存在しないはずである。
【それは何もせずに走り去っていった。窓からは複数の黒い人影が映ったような気がしたがクルトは凝視できなかった。
見てしまえば終わる…という説明できぬ確信によってだ→ソーマタージは過ぎ去る車両を見ますか?】
恐ろしい事に、正体不明の車両が走り去る間際、随伴するキャラバンの姿は見えた。
何が、おそろしいか、走る車両を見たというのにクルト以外、ノーリアクションであったことだ。
【何かがソーマタージにささやきかけたことだろう「こいつらはもう助からない」と】
正体不明の車両が過ぎ去れば、いよいよ闇はその粘土と暗さをどこまでも深くしていく。
上下左右が曖昧となり、サイバネ視界のあらゆるセンサーがフラットラインとなり、
例えようのないとてつもなく気持ちの悪い感触の何かがソーマタージの頬に触れ、しかし何もいない。
【身体が緩慢さを増してゆき、現実感が無くなるのと比例して、
クルトとソーマタージの中である言葉が輪郭を強めていくだろう「そして俺達もおそらくここで死ぬ」と】
戦いならば勝てる。が、これは戦闘ですらないのだ。何に牙を突き立てればよいのだろうか?
【と、ここで視界ゼロのソーマタージの指先にコンと触れたものがある。ドアノブ――トンネルの連絡口】
無心で進むか、この垂らされた糸めいた何かに縋りつくか、の二択だった。
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