1: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:04:23.81 ID:OyIzvWrPO
注意事項
・武内Pもの
・武内Pもの
――この惨劇は、仲良し三人組の何気ない会話から始まった
卯月「プロデューサーさんって尊いですよね!」
未央「しまむー、突然何を言い出すんだい」
凛「……」
卯月「何ヵ月も胸の中が、こう……モヤモヤした感覚があったんです。でもその答えがようやく出たから、聞いてほしいんですよ!」
未央「ほお、聞かせてもらおうか。拗らせてしまったしまむーの矯正はそれからだ」
卯月「こ、拗らせ……?」
凛「未央、話の腰を折らないで。卯月、とりあえず何でそう考えるようになったか話してみてよ」
卯月「はい!」
卯月「毎日毎日お仕事に一生懸命で、周りは年頃の女の子ばかりだから予想外の事に振り回されることばかりなのに、その一つ一つに不器用にだけど、真面目に向かい合ってくれる。そんなプロデューサーさんを見ているうちに、色々と思うようになったんです」
未央「ああ、その気持ちなら未央ちゃんもわかるよ」ウンウン
卯月「それに加えて……私が焦りと不安から潰れそうになって、自分がどんな笑顔をしていたかすら忘れてしまった私を、見捨てないでくれた」
卯月「あの時のプロデューサーさんが私に見せてくれた、ぎこちないけど思いやりに満ち溢れた笑顔――私がその時に感じた気持ちがなんだったのか、初めての事でわからなかったんですけど、今になってようやくわかったんです」
卯月「プロデューサーさん……尊い」
未央「うん、そこはちょっと待とうかしまむー」
卯月「え?」
凛「……」
未央「いや、感謝しているとか尊敬しているとかならわかるよ。私もプロデューサーのおかげでアイドルになれて、アイドルを辞めるって言い出した私に今があるのは、プロデューサーのおかげっていうのが大きいんだから」
卯月「つまり未央ちゃんもプロデューサーさんに尊みを感じているんですね!」
未央「ヘイ、ストップしまむー。私もプロデューサーに感謝もしているし尊敬もしているけど、身長190の筋骨隆々としたコッワーイ顔した三十歳になるプロデューサーを、尊いって言い出すのはどうよ?」
卯月「その、以前は大きい人って怖かったんですけど……今はプロデューサーさんぐらいの体格の方が、守ってもらえている気持ちが湧いてきて……年上の男性は頼りになりますし、それにプロデューサーさんの顔はカワイイですよね!?」
未央「おおう……拗らせきっている」
卯月「ええ〜、そんなことありませんよ!」
凛「……うん、卯月の言う通りだよ」
未央「……へ?」
島村卯月
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渋谷凛
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本田未央
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2: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:06:18.18 ID:OyIzvWrPO
凛「プロデューサーは強面な外見とは裏腹に、年甲斐もない夢見がちな情熱さがあるよね。そのせいでいらない苦労をして、それでも私たちのために頑張ってくれている姿を見ると……ああ、尊いな……って感じるよ」
未央「正気かしぶりん!?」
卯月「そうですよね!」
3: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:07:30.29 ID:OyIzvWrPO
未央「いや、たいしたことじゃないんだけどね。この前プロデューサーがみりあちゃんと仁奈ちゃんが一緒に遊んでいるのを、ほほえましそうに見ていたの。それを見て、ああ、この人子どもの相手の仕方はわからないんだろうけど、子ども自体は好きなんだなあって感じて」
凛「ああ、そういうことか。泣きそうな子どもに気がついて近づいたら、びっくりした子どもが泣き出しそうなイメージはあるね」
未央「うん、まあそれで思ったんだ」
4: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:08:09.68 ID:OyIzvWrPO
※ ※ ※
卯月「まったくもう! プロデューサーさんは尊いのに、その尊さを穢したいだの、子どもを産んであげるだなんて」
5: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:08:52.54 ID:OyIzvWrPO
武内P「私に話しかけやすくなったことは良い事だと思います。私は多分、話しかけづらい部類の人間ですから。他の男性には話しかけやすくなりましたか?」
文香「兄さまほどではありませんが、幾分かは。兄さまと呼ばせてくださいという突拍子もないお願いを聞いていただき、本当にありがとうございます」
武内P「確かに最初は驚きましたが……私も昔、妹が欲しいと思っていた時期があり、それなりに楽しんでいるのでお気になさらずに」
6: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:09:33.79 ID:OyIzvWrPO
武内P「ところで叔父さんとの食事の件ですが、あとで日程を確認して大丈夫な日を連絡させていただきます」
文香「時間を割いていただきありがとうございます。叔父には念を押しておきますが、もし妙な事を言い出しても気にしないでください」
武内P「そんなに心配されなくても大丈夫です。私は年頃の娘さんを預かる仕事を何年もしていますので、保護者の方が我が子を心配する気持ちは多少なりともわかるつもりです」
7: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:10:29.51 ID:OyIzvWrPO
武内P「な、撫でます! 撫でさせてください!」
卯月「はい! お兄ちゃん頑張ってください!」
武内P「……お、お兄ちゃん。頑張ります」
8: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:11:09.25 ID:OyIzvWrPO
――翌日
卯月「はぁ……私ったら何て事しちゃったんだろう。プロデューサーさんを困らせてしまって」
9: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:11:50.00 ID:OyIzvWrPO
※ ※ ※
幸子「ふう、まだ午前中なのに移動するだけで汗をかいてしまいますねえ」
10: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:12:39.51 ID:OyIzvWrPO
※ ※ ※
幸子「――という事があったのを思い出したんです。プロデューサーさんのような朴念仁な照れ屋さんにカワイイ成分を供給するには、にゃん吉のような強引な甘え方がいいと考え、さちにゃんになりました!」
11: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:13:31.48 ID:OyIzvWrPO
卯月(二人とも顔を真っ赤にして、表情もぎこちないけど……カワイイ成分を供給しすぎて、何があったんですか?)
武内P「あの……もう供給過多ですので、お願いですからどいてください」
幸子「で、でもボクがどいたら……卯月さんにこのエルブルス山(ロシア最高峰の山 標高5642m)が見られてしまいますよ?」
12: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:14:03.98 ID:OyIzvWrPO
幸子「い、今の声は……うづにゃんじゃ……ないですよね?」
卯月「さ、さちにゃんでも……ないですよね?」
13: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:14:50.49 ID:OyIzvWrPO
――翌日
卯月「はぁ……私ったら二日連続で何て事しちゃったんだろう。プロデューサーさんをあんな目に遭わせちゃって」
14: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:15:29.25 ID:OyIzvWrPO
蘭子「あの! あのあの!」
武内P(あんなに我が友、我が友と懐いてくれていたのに……天真爛漫な笑顔を私に向けてくれていたのに……)
武内P(思えばシンデレラプロジェクトは個性的で年頃の女の子たちが集まる場所であり、三十になる男の私は皆さんとどのように接すればいいのか常に考えさせられていました)
15: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:16:20.11 ID:OyIzvWrPO
――10分後
チーン♪
16: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:17:03.35 ID:OyIzvWrPO
17: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:18:03.59 ID:OyIzvWrPO
※ ※ ※
時子「――――――――――ッ」
18: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:19:13.87 ID:OyIzvWrPO
※ ※ ※
コンコン
19: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:19:51.00 ID:OyIzvWrPO
卯月「す、すみません。私変な事を訊いちゃったんしょうか?」
武内P「あ、謝らないでください! 悪いのは……悪いのは全て私で、島村さんは何も悪くなどありませんから!」
卯月「いえ、悪いのは私の方です!」
20: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:20:32.92 ID:OyIzvWrPO
タタタタタタタッ
卯月「ハァ……ハァ……!」
21: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:21:05.23 ID:OyIzvWrPO
最後まで読んでいただきありがとうございました
私の中で武うづは
武内P:卯月はその笑顔で自分を救い出してくれた天使
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