5: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/08/11(火) 04:08:52.54 ID:OyIzvWrPO
武内P「私に話しかけやすくなったことは良い事だと思います。私は多分、話しかけづらい部類の人間ですから。他の男性には話しかけやすくなりましたか?」
文香「兄さまほどではありませんが、幾分かは。兄さまと呼ばせてくださいという突拍子もないお願いを聞いていただき、本当にありがとうございます」
武内P「確かに最初は驚きましたが……私も昔、妹が欲しいと思っていた時期があり、それなりに楽しんでいるのでお気になさらずに」
文香「しかし……私のような妹でなければ、もっと兄としての感慨を味わえたと思います。例えばありすちゃんのような、聡明さと愛らしさを併せ持つ子が妹であれば」
武内P「……呆れた顔で、小言を口にする橘さんの姿が想像されます」
文香「そ、そんなことは……フフ」
武内P「それにもし私に鷺沢さんのような妹が本当にいたら自慢してまわるか、もしくは可愛がり過ぎて過保護になっていたでしょう」
文香「過保護……兄さまに過保護にされる……良いですね」
卯月(過保護……プロデューサーさんに過保護にされる)ゴクリ
武内P「……え?」
文香「あ、いえ! なんでもありません。ところでお願いがあるのですが……それがまた恥ずかしい内容で、お願いしづらい事なんです」
武内P「なんでしょうか? まずは聞かせていただけますか」
文香「はい。前に話したかもしれませんが私は叔父と仲が良く、アイドルになってその回数は減りましたが、叔父の経営する書店の手伝いをしています」
文香「叔父もまた長野にいる父の代わりに私を見守らないといけないと、普段から私の事を気にかけてくれていたのですが……その叔父との会話で、つい兄さまの事を話してしまったのです。プロデューサーさんではなく、兄さまと」
武内P「……可愛い姪に、兄さまと呼ばせている怪しい男がいる状態ですね」
文香「もちろんすぐに誤解だと伝えたのですが……叔父が一度、三人で食事をしたいと希望しているのです」
武内P「そういう事ですか。叔父さんの気持ちは良く分かります。仮初の兄にすぎない私でさえ、もし鷺沢さんの周りに不審な男がいれば心配で仕方なくなるでしょうから」
文香「そうなったら……兄さまも心配してくれますか?」
武内P「ええ、もちろんです」
文香「だ、大丈夫ですよ兄さま。私が男性の前で油断するのは、家族と兄さまにだけですから」
武内P「あの……私にも少しは警戒してほしいのですが」
文香「……やです」
武内P「鷺沢さん?」
文香「やです。兄さまは、私の兄さまなんです。兄さまが私にしてくれることで、悪い事なんて一つもありません」
武内P「あの……私は仮初の兄なので、そこまで過剰に信頼するのは……いえ、実の兄でもそこまで信頼するのはどうかと思います」
文香「……兄さまのいじわる」プクー
武内P「可愛らしく頬を含まらせてもいけま……フフ」
文香「あ、面白かったですか?」
武内P「その……鷺沢さんがこんな冗談を見せてくれるのが嬉しくて、つい」
文香「こんな姿を見せるのは、兄さまが初めて……あ」
武内P「どうかしましたか?」
文香「いえ、ありすちゃんが以前教えてくれたのに、わからなかった事があったのを思い出したんです」
武内P「それはなんでしょうか」
文香「初めての時は『兄さまっ……兄さまっ……!』と口にすると喜んでくれるそうなんですが……わかりますか?」
武内P「…………………………私には、さっぱりわかりません。わかりませんが、橘さんとはあとでお話をさせてもらいます」
文香「?」
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