13:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:07:40.98 ID:DQhBkFB7O
「……浮いてる」
夜中、トイレがしたくなってルークが目を覚ますと、乗っていた陸艦が空中を飛んでいた。
ヴァンの陰謀を防いでから、早10年あまり。
飛晃艇の生産は加速して、その数は増えた。
14:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:10:53.68 ID:DQhBkFB7O
「ルークは、私の数少ない友人でした」
やるせない思いを抱えて癇癪を起こしたチビルークに歩み寄り、見に纏う青いマントをその肩にかけてやりながら、ジェイドは語った。
「沢山の過ちを犯した彼に共感を覚えた」
15:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:13:32.43 ID:DQhBkFB7O
「勝手なこと言うなよ!」
怒鳴っても、カーティス中将は動じない。
「俺がルークだ!」
16:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:15:17.73 ID:DQhBkFB7O
「失礼。少々言い過ぎましたね」
「うう……うわああああああん!」
チビルークはわんわん泣いた。
やれやれと嘆息して謝罪するジェイド。
17:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:16:51.15 ID:DQhBkFB7O
「大丈夫? 着替え、ちゃんと出来る?」
「で、出来るよ! そのくらい!」
場面は変わってティアの船室にて。
汚してしまったズボンの着替えを手伝おうとするティアを部屋から追い出して、なんとか着替えたルークは、ようやく落ち着いてきた。
18:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:19:39.04 ID:DQhBkFB7O
「どういう意味だよ、それ」
尋ね返すとティアはなるべく刺激しないよう言葉を選びつつ、慎重に自らの考えを口にした。
「ルークは私と同じだったのよ」
19:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:22:15.99 ID:DQhBkFB7O
「私はアッシュを誤解していたのかも……」
「父上がなんだって?」
突然父親のことを持ち出されて怪訝な顔をするチビルークに、ティアは考察を口にした。
20:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:25:07.20 ID:DQhBkFB7O
「もしもあなたが本質的な部分でルークに似ているのだとしたらアッシュに反発していた筈」
「父上に、反発なんて……」
「あら? もしかして、怖いの?」
レプリカ・ルークなら、きっとこう言い返す。
21:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:26:53.72 ID:DQhBkFB7O
「皆さん、進路変更です」
翌日、タルタロス弐号機は進路を変更した。
朝っぱらから叩き起こされたガイが、目をこすり欠伸をしつつ、ジェイドに行き先を尋ねた。
22:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:29:33.65 ID:DQhBkFB7O
「俺は、どうすれば……」
「あなたは我々の後方で待機です」
言われるがまま一行についてきたルークに、ジェイドは当然のように後方待機を命じた。
むっとするが船で待機しろとは言わなかった。
23:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:31:40.47 ID:DQhBkFB7O
『はぁーはっはぁーっ!』
「この頭の悪そうな笑い声は、まさか……」
「どうやら悪い予感が的中したようです」
椅子が回転して正面を向くと、そこには案の定、ディストこと、サフィール・ワイヨン・ネイスが座っていて、ジェイドを歓迎した。
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