ティア・グランツ「私、もう待つのはやめたの」
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15:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/04(土) 21:13:32.43 ID:DQhBkFB7O
「勝手なこと言うなよ!」

怒鳴っても、カーティス中将は動じない。

「俺がルークだ!」

震える声を抑えて、喉を枯らして叫ぶ。

「どうして誰も俺を認めようとしない!?」

そんな子供の駄々にジェイドやれやれと首を振って、一瞬、青い手袋に包まれた手のひらがブレたかと思ったら、チビルークは吹っ飛んだ。

「愚か者が!」
「ぐっ! ああっ!? やめっ」
「力というものを思い知りなさい」

起き上がるよりも前に馬乗りにされて。
抵抗出来ないルークに手を振り上げて。
それでも、それ以上殴ることはなくて。

「……興が削がれました」

こちらを見下ろす赤い瞳には、紛れもなく失望の色が浮かんでいて、無性に腹が立った。

「な、なんだよ! 殴りたいなら殴れよ!」
「あなたはやはり、ルークではありません」

またそれか。やめてよ。何も言えなくなる。

「私は滅多に人を叱らないそうです」

腕を掴んで、半ば強引に起こしながら、ジェイド・カーティス中将は酷く悲しそうに。

「ルークではない者を叱っても意味がない」

言われて、チビルークのほうが悲しくなった。


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