ゼロ「おかえり、カレン」紅月カレン「うん……ただいま」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 22:51:05.25 ID:OH3iAZ/LO
『カレン。全てが終わったら、一緒にアッシュフォード学園に帰ろう』ーー彼はそう言った。

夢を見ていた。内容はいつもと同じ希望の夢。
夢から覚めると既に朝で、カーテンを開ける。
眩しい日差しに、目を細めながら、彼を想う。

彼はもう目覚めているだろうか。
多忙な彼は、昨晩寝れたのだろうか。
もしくは、今から眠るのだろうか。

夜、眠る前に彼を想う。
彼はもう眠りについただろうか。
多忙な彼は、眠らないのだろうか。
もしくは、今起きたところだろうか。

「……行ってきます」

朝起きて、戦闘服を着込んで。
赤いナイトメアフレームに乗って戦って。
夜遅くに仮眠を取って、夜襲に備える。

「……ただいま」

自室に帰って、シャワーを浴びて。
余った携行食をモソモソ食べて。
夜眠る前に、彼を想う。

「……行ってきます」

黒の騎士団での生活は忙しい。
元は兄が立ち上げたレジスタンス。
紆余曲折あって今は彼が指揮官を務めている。
ほとんど四面楚歌で、友軍は少ない。
神聖ブリタニア帝国を初めとした、あらゆる方面と戦線を構えている。全面戦争状態である。

それでも、たまには休日もあって。

「……ただいま」

久しぶりに、アッシュフォード学園を訪れた。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 22:52:33.83 ID:OH3iAZ/LO
「意外とバレないものね」

久しぶりに学生服に袖を通して。
何食わぬ顔で生徒に紛れ込んだ。
とはいえ、余り目立つ訳にはいかない。
以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 22:53:45.96 ID:OH3iAZ/LO
「……見つけた」

思いがけず、彼を発見した。
彼は屋上で横になっていた。
すぐにでも声をかけたいけれど、出来ない。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 22:55:27.24 ID:OH3iAZ/LO
(あーあ。アホらしい……もう帰ろうかしら)

わざわざ人目を忍んで学園まで来て損した。
どうしてせっかくの休みにこんな目に。
ただ、彼と学園で過ごしたかっただけなのに。
以下略 AAS



5:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 22:57:02.11 ID:OH3iAZ/LO
「っ……ふぁっ……くぁっ……く、苦しい」
「ああ、わかったわかった。餌をせがむ鯉みたいに口をパクパクさせるなんて、本当にお前はキスが好きだな。困った奴だ。そう急かすな」

(あんたが鼻を塞いでるからでしょーが!?)

以下略 AAS



6:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 22:58:41.40 ID:OH3iAZ/LO
「よし、これで準備は完了だが……その前に」

空っぽになったリップクリームをポケットに戻しつつ、C.C.は鋭い眼光をこちらに向けて。

「そこに居るのはわかってるぞ。出てこい!」
以下略 AAS



7:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 23:00:45.80 ID:OH3iAZ/LO
「さて、そろそろ焦らすのはやめにしよう」

いよいよ、その時は来た。鼓動が速まる。
ゆっくりとC.C.がルルーシュに近づく。
その姿を凝視しつつ、思わず生唾を飲んだ。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 23:02:16.32 ID:OH3iAZ/LO
「とまあ、冗談はこのくらいにして」

(あまりに衝撃的過ぎて冗談にならないわよ)

まるで何事もなかったかのように澄まして。
以下略 AAS



9:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 23:03:39.48 ID:OH3iAZ/LO
「ルルーシュ……このままでは漏れてしまう」

彼は答えない。静かに寝息を立てている。
切実なC.C.のお腹事情を、彼は知らない。
にも関わらず、何故か納得したように頷いて。
以下略 AAS



10:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 23:05:47.10 ID:OH3iAZ/LO
「さあ、ルルーシュ……覚悟はいいか?」

彼は依然として眠ったまま。あどけない寝顔。
あまりに無防備で無警戒で無力だった。
彼が起きていたら、彼女を止めただろうか。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 23:06:59.67 ID:OH3iAZ/LO
「フハハハハハハハハハハハハハッ!!!!」

変えていく、変わっていく。

世界に爪を立てて、引き裂いて。
以下略 AAS



12:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 23:08:20.42 ID:OH3iAZ/LO
「どうして……わかったの?」

観念してふらりと物陰から姿を現すと、珍しいことにC.C.が盛大にビクついて目を見開いた。

「ほ、本当に居たのか……」
以下略 AAS



13:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 23:09:46.63 ID:OH3iAZ/LO
おまけ

「C.C.!」

ある日の晩、ルルーシュは激怒していた。
以下略 AAS



14:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 23:11:28.99 ID:OH3iAZ/LO
「どこに連れいくつもりだ?」
「ここだ」

場面は変わって、扉の前。
ルルーシュに連れられて、ここまで来た。
以下略 AAS



15:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 23:13:10.38 ID:OH3iAZ/LO
「なるほど。これは由々しき事態だな」
「ああ。騎士団の仕事を終えて帰宅した俺はこの惨状を目撃して目を疑い、二度見、三度見までしてようやく現実を飲み込んだわけだ」

一度見ればわかるだろうに。馬鹿な奴め。
二度見、三度見したのはルルーシュが悪い。
以下略 AAS



16:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 23:15:09.39 ID:OH3iAZ/LO
「用を足した後は流せと言ってるだろう!?」
「私じゃない。間違っているぞ、ルルーシュ」
「なら、どこの誰がやったと言うつもりだ!」

無能な刑事役を買って出てくれたルルーシュにやれやれと首を振り、何処からともなく陶器のパイプを取り出したC.C.は探偵役を請け負った。
以下略 AAS



17:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 23:16:47.61 ID:OH3iAZ/LO
「では、大穴でお前の父親という線は?」
「皇帝が……?」
「息子に対する嫌がらせかも知れん」

ルルーシュにとって最大の敵。
以下略 AAS



18:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 23:18:24.34 ID:OH3iAZ/LO
「とにかく、奴ならこんなものでは済まない」
「よくわかったよ。思い出させて悪かった」

気を取り直して、C.C.は他の容疑者を挙げる。

以下略 AAS



19:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 23:21:00.13 ID:OH3iAZ/LO
「となると、あとは……」
「茶番は終わりだ、C.C.」

既に粗方の容疑者を洗い終えた。
無論、ルルーシュは最初からわかっている。
以下略 AAS



20:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 23:23:00.06 ID:OH3iAZ/LO
「俺は別に、そんなつもりは……」
「はあ……お前には心底ガッカリだよ」

そんな風にあからさまに落胆されてたじろぐ。

以下略 AAS



21:名無しNIPPER[sage saga]
2019/11/15(金) 23:24:56.83 ID:OH3iAZ/LO
「変わらなくても良いものだってある」
「C.C.……」
「ルルーシュ、思い出せ。反逆の記憶を」

思えば、長らく戦ってきた。
以下略 AAS



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