20:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:54:01.09 ID:uyzFntxd0
豊橋とは関係なく、俺は本日も中華料理屋でバイトに勤しんでいた。
店長のチョウさんはいつも怪しい中国語とおかしな日本語を巧みに操り、本格的中華料理コックマンという印象をお客さんに与えている。
21:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:54:37.42 ID:uyzFntxd0
「ぶーちゃん、今日なに食べるアル?」
厨房で笑顔のチョウさんに尋ねられた。「ぶーちゃん、なんでも美味しそうに食べる。作り甲斐アルネ」なんてよく言われるから、俺も毎回気持ちよく賄いを平らげている。
22:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:55:14.88 ID:uyzFntxd0
そんな商店街通りを歩く。目的地は……近くにある、落ち着いた感じの喫茶店。普段前を通る時、ガラス張りの壁からシャレオツなピープルが上品なカップでコーヒーやら紅茶やらを啜っているのをよく見るお店だ。
俺にはきっと生涯縁がないところだなぁ、と思っていたその小洒落た軒の先に立ち、そっと店の奥まで覗いてみる。
23:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:55:48.94 ID:uyzFntxd0
豊橋はお店の雰囲気に妙に馴染んでいるようだった。ただ立っているだけなのにやたらと絵になる佇まいだ。
お客さんの中にはそんな姿を眺めながらカップに口をつけてる人もいた。なるほど、ここは豊橋にとって天職なのかもしれないな。
24:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:56:36.87 ID:uyzFntxd0
◇
25:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:58:20.34 ID:uyzFntxd0
「……実は、まだ」
対する豊橋は、苦笑交じりに呟いた。無邪気な悪戯がバレた子供みたいな顔だった。
26:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:59:04.29 ID:uyzFntxd0
「あー、すまん、つい本音が」
言ってから、これはフォローではなくただの追い打ちにしかならないことに気が付いた。豊橋は「うう……」と机に突っ伏しそうなくらい肩を落としていた。しまいには、
27:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:00:36.79 ID:uyzFntxd0
「ああ、食べ物だとさ。むしろ逆に聞きたい。食べ物の何が悪い? さぁ、ほら、何が悪いか言ってみなさいよこんちくしょうめ」
「…………」
28:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:01:18.88 ID:uyzFntxd0
「確かにそう、かも」
「だろ? 美味しいお肉に豪華な甘いもんにちょっと背伸びしたシャンメリー。これだけでいいんだよ。わかるだろ?」
29:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:02:42.89 ID:uyzFntxd0
◇
30:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 06:03:56.09 ID:uyzFntxd0
◇
60Res/53.20 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20