25:名無しNIPPER[sage saga]
2020/12/24(木) 05:58:20.34 ID:uyzFntxd0
「……実は、まだ」
対する豊橋は、苦笑交じりに呟いた。無邪気な悪戯がバレた子供みたいな顔だった。
「あ、そうなのか。バイトするって決めるくらいだからもう目処は立ってるのかと思ってた」
「ううん。あんまり高いものをあげるのは、お父さんとお母さんも許してくれないし……どうしようかなって」
「へぇ〜」
なんてしっかりしたご両親でしょうか。ウチなんてクリスマスは無礼講にチキンとケーキを貪る日、なんて感じで酒池肉林なのに。
「聞いてみれば? サンタさんに何をお願いするの〜って」
「……そういうのって、聞いてもいい、のかな」
「え、なんで?」
「……その、あのね?」
「うん」
「十個近く歳が離れてるから、どう接すればいいのか、ちょっとわかんなくて」
「はぁ」
「肉親なんだけど、気を遣うというか、たまにうっかり敬語になるというか……」
「コミュ障かよ」
思わずツッコミが口から滑り落ちた。それは豊橋にいい角度で刺さったようで、「う……」と胸の辺りを押さえてうなだれた。
60Res/53.20 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20