131:名無しNIPPER[saga]
2020/05/06(水) 23:11:10.40 ID:EfLG+Erp0
「ところで加蓮、泳げるのか?」
「ううん」
132:名無しNIPPER[saga]
2020/05/06(水) 23:18:59.82 ID:EfLG+Erp0
頭を掻く彼に笑い返し、加蓮が足を振ってサンダルを放り投げます。
閉めていたジッパーを下ろし、パーカーもそこらに放り捨てて。
寄せる波が、薄い青に彩られた彼女のつま先にキスをしました。
133:名無しNIPPER[saga]
2020/05/06(水) 23:33:18.12 ID:EfLG+Erp0
水も滴る良い加蓮が振り向きます。
こちらを見ていた彼と視線が合いそうで合いません。
やや、下を向いていたので。
134:名無しNIPPER[saga]
2020/05/06(水) 23:45:53.62 ID:EfLG+Erp0
「楽しそうね、お二人とも」
135:名無しNIPPER[saga]
2020/05/06(水) 23:51:20.91 ID:EfLG+Erp0
「うん、今行く。プロデューサーも、」
目は口ほどに物を言う。
136:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 00:04:31.64 ID:XPAMg3p00
◇ ◇ ◆
「はい♪ 事故だけはくれぐれも気を付けてくださいね?」
137:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 00:14:06.23 ID:XPAMg3p00
「ちひろさんが見つけてくれたんだよ。というか、手配まで含めて全部」
「相変わらず何でも出来るね、ちひろさん」
138:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 00:27:25.70 ID:XPAMg3p00
「やるじゃん」
「は?」
139:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 20:34:28.08 ID:XPAMg3p00
◇ ◇ ◆
念のため、髪をアップに纏めておきましたし、上着だって一枚羽織ってあります。
ですが彼は飛ばす訳でもなく、海岸沿いの道を法定速度で流すだけ。
140:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 20:45:51.03 ID:XPAMg3p00
彼を言い負かし、加蓮はひとしきり満足しました。
窓枠へ軽く肘を掛け、纏め損ねた毛先を風の妖精に遊ばせてやります。
「夢だったんだ」
141:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 21:00:46.29 ID:XPAMg3p00
唇を結び、加蓮は彼の顔を見つめます。
そして、にっと笑ってみせました。
「話したかったんだ? 可愛い女の子と」
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