141:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 21:00:46.29 ID:XPAMg3p00
唇を結び、加蓮は彼の顔を見つめます。
そして、にっと笑ってみせました。
「話したかったんだ? 可愛い女の子と」
「そう言われるとガールズバーみたいだな……」
「行ったんだ」
「行ってない……行ったっていいだろ別に」
「お話くらい幾らでもしてあげるよ? 三十分につきアイスかポテトいっこね」
「そりゃ財布に優しくて助かるよ……」
加蓮に比べればやや苦味の混じった彼の笑み。
それが彼女お気に入りの表情なのを、当の本人は知る由もありません。
「俺はまだ、加蓮の事をほとんど知らないんだ。
誕生日と、趣味と、好きな食べ物と、スリーサイズくらいしか」
「割と充分じゃない……? いいけどさ」
ハンドルを握り直し、今度は彼から口を開きました。
「イヤだったら、話さなくてもいい」
「うん」
「身体が弱かった、ってのは前に聞いたけど……相当だったのか?」
307Res/234.17 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20