もしもし、そこの加蓮さん。
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140:名無しNIPPER[saga]
2020/05/07(木) 20:45:51.03 ID:XPAMg3p00

彼を言い負かし、加蓮はひとしきり満足しました。
窓枠へ軽く肘を掛け、纏め損ねた毛先を風の妖精に遊ばせてやります。

 「夢だったんだ」


出し抜けに呟いた加蓮へ、彼の視線が続きを促します。

 「水着で、海で泳ぐの」

 「ささやか過ぎやしないか」

 「昔の、ね。ちっちゃな私には、おっきな夢だったの」

サングラスに隠れて、彼の表情はよく伺えませんでした。

 「さっきの質問だけど」

 「ん」

 「答え、もう一つあるな」

 「うん」

 「加蓮とゆっくり、話してみたかったんだ」


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