白雪千夜「私の魔法使い」
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38:10/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:10:14.40 ID:ldlfMP+C0
「そうだなぁ。私たちの楽園に連れていってあげる、とか」

「ら、楽園? 楽園って……」

「あは♪ 期待しちゃった?」
以下略 AAS



39:10/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:11:59.79 ID:ldlfMP+C0
 休憩していた姿を見られたくなかったのか、取りこぼしたペットボトルを小脇に抱え、一度背を向けて最小限の動きでレッスン着を整えたのち、咳払いをしつつ振り返る。
 この間10秒と経っていない。取り繕っている間に少し顔が紅潮したようだ。

「……久し振り。元気にしてた? ちゃんと食べてるの? また老けたんじゃない?」

以下略 AAS



40:10/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:12:48.27 ID:ldlfMP+C0
 帰ってきてみると、特等席であるソファにぺったりと幸せそうな顔で横になるちとせと、主人の命令に抗えなかったのか再びコールドスプレーを手にした千夜が疲れ切った顔をしていた。

 現況から鑑みて、微妙な暑さに耐えきれずソファを冷やさせた、といったところだろう。
 それだけにしては千夜が疲れているのも気になる。夏もデビューもこれからだというのに、大丈夫なのだろうか。

以下略 AAS



41: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:14:09.85 ID:ldlfMP+C0
11/27



「お疲れ様です、プロデューサーさん。首尾はいかがですか?」
以下略 AAS



42:11/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:15:16.65 ID:ldlfMP+C0
「……でも、今のお話はみんなにはされない方がいいかもしれません」

「自分たちのことを放っておきながら、新しくスカウトしていたらそりゃあ、ね。わかってますよ」

「それもありますけど、ふふっ。段々調子が戻ってきましたね」
以下略 AAS



43: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:16:12.25 ID:ldlfMP+C0
12/27



 いかに蝋で固めた鳥の羽が本当に空を飛べたとしても、太陽を目指す気なんてさらさら起きなくなるような熱射の中、エアコンで車内をガンガンに冷やしながら待ち人の到着を待ちわびる。
以下略 AAS



44:12/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:17:55.58 ID:ldlfMP+C0
「お前……わざとか?」

「え、何が」

「余裕がないだけならいい。何か流しますよ」
以下略 AAS



45:12/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:18:53.25 ID:ldlfMP+C0
 なんだまだ元気じゃないか、というツッコミも喉元を過ぎて出てくることはなく、意図が伝わってない2人はそれぞれ違う解釈をしたようだ。

 ちとせはともかく千夜はどう受け取ったのか、またしても何かを手に取り車が止まるまで今か今かと構えているらしい。

 すぐに次の赤信号に引っ掛かると、千夜の構えたそれは虫よけスプレーであることがわかった。
以下略 AAS



46: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:19:37.37 ID:ldlfMP+C0
13/27


「……どうぞ」

以下略 AAS



47:13/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:20:34.60 ID:ldlfMP+C0
 事務所の自室ももっとこんな風になるはずだったんだろうな、と失礼にならないよう加減して辺りを見回す。改装が施されたのは結局ソファ周りと食器に留まっていた。
 ほかの子の影を追っている間はここまで、私たちしか見えなくなったら私の館に替えてあげる♪ とはちとせの言だ。

 自由気ままのようで好きなものを無理やり自分の色へ染め上げようとはしない、千夜を見ていてもちとせはそういう主義の持ち主だとわかる。

以下略 AAS



48: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 20:22:03.75 ID:ldlfMP+C0
「それが私にも、気が付いたら灯ってた。この温かな炎にあの子と、あなたと……少しでも長く焦がれていたい。今が楽しければいいってずっと思ってたのに、未来もそうだといいなって、最近思うんだ」

 恥ずかしい話だけどね、とちとせは付け加える。彼女が見通し始めた未来は、そう遠くないところまでしか見ることが叶わないのだろう。

 それでも、魔法の炎に照らされた明るい未来を望んでいる。それが千夜にも灯っているというなら、千夜もきっとそうに違いない。
以下略 AAS



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