白雪千夜「私の魔法使い」
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16:4/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 19:44:37.43 ID:ldlfMP+C0
 ちとせはいつか千夜を僕ではなくしたいと思っているようだが、今の千夜にその役目を奪ってしまうのは酷というものだ。
 その課題はさておき、2人が2人らしく、それでいてどちらも輝かせるにはどうするべきか。

「ちとせの魅力を誰よりも引き出せるのは、千夜の他に俺は知らない。千夜の魅力を誰よりも引き出せるのは、やっぱりちとせしか知らない。2人のことを知らしめるのに、これ以上相応しい相手がいるか?」

以下略 AAS



17: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 19:45:33.92 ID:ldlfMP+C0
5/27



 ユニット曲や衣装の打ち合わせ、LIVE会場の手配、その他にもプロデューサーとしてなすべき仕事を片付けるためデスクでパソコンに向かい根を詰めていると、ドアの開く音が聞こえてきた。
以下略 AAS



18:5/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 19:47:21.80 ID:ldlfMP+C0
 経験も浅く、心に余裕が持てなくて自分のことで精一杯になっても何らおかしくはないというのに、細部まで思い返せるほど冷静だったのだろうか。新人揃い踏みの中でそうであったとしたら、異質に映ってしまっても道理である。

「緊張からか、呂律が回っていない方、身体の動きが不自然な方――ああ、遅れそうになったのかオーディションが始まっても肩で息をしていた方もいましたね」

「それで、審査員の方々はどういう反応だった? 審査する時の雰囲気というか」
以下略 AAS



19:5/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 19:48:39.05 ID:ldlfMP+C0
『お嬢さまよりここへ行けと言われました。だから来た。それだけです』

 お嬢さまというのがちとせを指していることに気付くまで話が噛み合わないまま、それでも本心ではないがアイドルにはなろうという謎の押し売りをする彼女に感じるものがあった。

 今こそ離れているが、中にはアイドルになる気がなかったはずの少女たちの活躍もちひろ越しに聞き及んでいる。
以下略 AAS



20:5/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 19:49:39.13 ID:ldlfMP+C0
 ちとせの手前、仕方なく引き下がっただけだとすれば、千夜の内心たるや淹れたてのコーヒーよりも熱く煮えたぎったりはしていないだろうか。

「ううん、あなたのやり方でいい。……千夜ちゃんってあんな風に怒るんだね」

「ケンカとかしたことないの?」
以下略 AAS



21: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 19:50:40.89 ID:ldlfMP+C0
6/27


 終わりなき探究の末、千夜の機嫌が良好であるかどうかを見極められつつあった。
 といっても、ちとせとの合同レッスンがある日しか拝めないので、機嫌の良い理由は明白である。
以下略 AAS



22:6/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 19:52:00.49 ID:ldlfMP+C0
「封筒? 何ですかこれ」

「女子寮の方に届けなきゃいけない書類が入ってます。今日中に、とのことなので、どうぞよろしくお願いします♪」

「えっ、そんな、ええっ!?」
以下略 AAS



23:6/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 19:53:50.38 ID:ldlfMP+C0
「まだ帰ってなかったのか」

 どことなく渋い顔をしている千夜を隠すように、こちらに気付いたちとせが一歩前へ出る。

「せっかくだから途中まで一緒に歩こうと思って。たまにはどう?」
以下略 AAS



24:6/27  ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 19:54:45.87 ID:ldlfMP+C0
「ぎゃああああああ!? なん、目が、目がああああああああ!!」

 おそらく催涙スプレーの類を食らわされたようだ。防犯グッズの定番の餌食によもや自分がなろうとは。

 あまり長く使われなかったのが幸いしたか、そこまで苦しみを味わうことにはならなかった。加減されてこれならいざという時頼りになるだろう。問題は今がいざという時だったのかどうかである。
以下略 AAS



25: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 19:55:48.13 ID:ldlfMP+C0
 6.5/27


「お嬢さまはあの者に気を許し過ぎではありませんか?」

以下略 AAS



26: ◆KSxAlUhV7DPw[sage]
2020/02/04(火) 19:57:00.32 ID:ldlfMP+C0
7/27


 ちとせがレッスンで不在の中、ソファに座り主人の帰りを待つ千夜はただの一言も発さなかった。
 これまでも用が無ければ特別言葉を交わすこともなかったとはいえ、顔を合わせても挨拶すらなく、ひたすら黙ってちとせを待っている。
以下略 AAS



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