【デレマス】 偶像ルネッサンス
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63: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/28(日) 23:56:48.83 ID:LYkOi8G4o
 
心の奥底がざわつくのをはっきりと感じた。
名も知らぬその少女は、キリッとした細い眉と対照的な、穏やかなる下がり目。強さと儚さを同時に含んだような、特徴的で綺麗な顔立ち。
彼女が美人だから目を引かれたのだろうか?
──それもあるだろうけど、なんだか……。
以下略 AAS



64: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/28(日) 23:58:46.88 ID:LYkOi8G4o
 
一日で二人以上のファン──たまたま来てみただけとも言っていたが、一度会えば彼女にとってはもう大切な──と交流をしたのは久しぶりだった。
それだけで菜々のこの一瞬は満たされたものになる。
先の見えないアイドル活動であったとしても、少なくとも明日への活力にはなる。

以下略 AAS



65: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:01:52.00 ID:uFnZQdOAo
 
 *

ノイズ混じりの裂けるようなギターソロ、そしてくぐもったベース音が頭にガンガン響きわたり、クラクラした心地すら覚える。
いつも浴びているはずの大音量も、ステージ上と観客スペースでは感じ方がこうも違うのかとぼんやり考えながら。
以下略 AAS



66: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:05:52.38 ID:uFnZQdOAo
 
「休憩中か?」

曇ったスポットライトの光を長時間見つめていたせいか、慣れない暗闇の先から話しかけられても姿が認識できない。
ただ、その声には聞き覚えがあった。
以下略 AAS



67: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:07:51.15 ID:uFnZQdOAo
 
「長いことここで頑張ってきました……いつまで経っても全然売れないし、昔の同僚は結婚とかしていってるのに、ナナはずっと変わらずアイドルやってるまま
 ……きっと笑われちゃいますよね」

珍しくこんなにあっさりと弱音を吐けることが、自分のことながら不思議に思えてくる。
以下略 AAS



68: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:12:11.89 ID:uFnZQdOAo
 
「アイドルっていうのは弱肉強食です。 表舞台に立つチャンスに恵まれなかった私は、こういう日陰の場所に追いやられる……
 私はただ、大人になれずにいつまでも夢にしがみついているだけの惨めな“ウサミン星人”」
「ウサミン星人ねぇ……」
「メルヘンだの永遠の17歳だの、バカバカしいと思いますか? だったらそれでもいいんです。
以下略 AAS



69: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:13:51.20 ID:uFnZQdOAo
 
「これからどうしましょう。 他に歌わせてくれる劇場を探さなきゃ……
 もっとも、こんな実績も何もないアイドル、受け入れてくれる場所なんてないかもしれませんけど……」

──もし他の劇場が見つからなかったら、そのときこそ本当に、メルヘンアイドルは死ぬんだろうな。
以下略 AAS



70: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:15:19.24 ID:uFnZQdOAo
 
頭を抱えたまま固まった菜々は、そのままのポーズで男を見上げた。

「ちょうどあんたみたいなのを探してたんだ、俺。 よかったら、あんたにぴったりな場所があるんだけど、興味ある?」
「へ?」
以下略 AAS



71: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:17:03.96 ID:uFnZQdOAo
 
 *

城のように絢爛な社屋、広大な敷地、すれ違う女性たちは皆、菜々も一度は目にしたことのある有名人。
見るもの全てが彼女を圧倒する。
以下略 AAS



72: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:19:08.03 ID:uFnZQdOAo
 
「うん、あんたほど面白いアイドルはそうそういない」
「わ、私は一応真剣なんですが……」
「褒めてるんだよ」
「そ、そうですか……ありがとうございます」
以下略 AAS



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