1: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/21(日) 22:56:44.94 ID:gNqPAssWo
○長富蓮実・安部菜々・服部瞳子 などが登場します。
○以前書いた
長富蓮実「ザ・ラストガール」
ex14.vip2ch.com
というSSが、このお話の前日譚に当たりますのでよろしければそちらもどうぞ
(読まなくても分かるようにしています)
SSWiki : ss.vip2ch.com
2: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/21(日) 22:59:34.71 ID:gNqPAssWo
3: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/21(日) 23:02:17.34 ID:gNqPAssWo
――――――
2018年4月、人気アイドルグループ「Renaissa(ルネッサ)」が無期限の活動休止を宣言、
所属事務所の346プロダクションが同月公式に発表した。
4: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/21(日) 23:05:20.42 ID:gNqPAssWo
【「Renaissaの一番の原動力は、リーダーの存在だったんです」――安部菜々】
――安部さんは去年の7月、346プロダクション内での「シンデレラガール総選挙」において、
5: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/21(日) 23:08:34.32 ID:gNqPAssWo
――在り方ですか?
安:実は……といってもお気づきでしょうけど、「ルネッサ」は「復活」を意味する「Renaissance」から来ています。
6: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/21(日) 23:11:38.50 ID:gNqPAssWo
蓮実ちゃんは、「どんなアイドルか」という話じゃないんだと思います。
7: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/21(日) 23:13:57.25 ID:gNqPAssWo
“あの頃の清純派はもう死んだ?”
8: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/21(日) 23:19:54.30 ID:gNqPAssWo
*
その昔、
アイドルとは孤高であり、
9: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/21(日) 23:21:03.11 ID:gNqPAssWo
だが、時代は変わった。
現代の人々にとって、アイドルとは百人いれば百通り存在する。
個々の知名度の差こそあれ、それがアイドルとしての全てではなくなった。
個性を重視し、オリジナリティを売りにして「狭く深く」独自の方向性で人気を得ていくようになった。
10: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/21(日) 23:22:08.76 ID:gNqPAssWo
(今日ここまで)
11: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:17:27.43 ID:8+PeY8Rzo
──────
12: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:19:24.37 ID:8+PeY8Rzo
春の346プロダクション。
アイドル部門はこの日、また新たな一員を迎える。
「受付から連絡来ました。今エレベーターに乗ってると」
13: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:21:36.11 ID:8+PeY8Rzo
「は、はじめまして」
蓮実は一礼をして、促されたまま用意されていた席に着いた。
14: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:23:35.87 ID:8+PeY8Rzo
「あっ、申し遅れました。 私、346プロダクションの事務を担当しております千川ちひろです。よろしくお願いしますね」
「千川さん……はい、よろしくお願いします」
「私はプロデューサーさんみたいに直接蓮実ちゃんのお世話をさせていただくわけではないですけど、
これからのアイドル活動のサポートを全力で行いますからね」
15: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:24:34.24 ID:8+PeY8Rzo
*
「……趣味は古着屋巡りに、ボウリング……? マイボールまで持ってるんですね! すごい!」
「いえ、たしなむ程度ですので……」
16: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:26:31.25 ID:8+PeY8Rzo
「いや、だって、ミーティングって言いましたよね?」
「コミュニケーションは大事だろ。 堅い話ばっかりじゃ疲れるし、なあ?」
まぁ、そうですね――と一応肯定しておく。
17: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:29:29.42 ID:8+PeY8Rzo
「そりゃもう、みんな個性的な奴らばっかりだぜ」
「……はい」
「プロデューサーさん、いったい何が言いたいんです?」
18: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:31:13.77 ID:8+PeY8Rzo
「私は、自分のように遠い昔の清純派を好きで、本気で憧れているような、私みたいなアイドルは他にいないと思っています。
今時受けは悪いとしても、それが自分の最大の強みです」
「……うん」
「だから、私に求められているのは――きっと、同じように清純派を愛する人たちへのメッセージになること。
19: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:34:05.35 ID:8+PeY8Rzo
「……OK。それが今の長富の答えってワケだ」
「……ダメだったでしょうか」
「うんにゃ、そんなことないよ。 まだまだ腹割って話しにくいところもあるだろうしな。 ありがとう」
20: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:36:00.00 ID:8+PeY8Rzo
「……ちょっと、難しいお話ですね」
イメージしたとおりのステージ――そう聞くと、蓮実がかつて数え切れないほど想像してきた伝説たちのきらめく光景が瞳の奥によみがえる。
当然、今の自分はあれほどの喝采を浴びるには足りないけれど、先へ進むにはやるしかない。
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