16: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:26:31.25 ID:8+PeY8Rzo
「いや、だって、ミーティングって言いましたよね?」
「コミュニケーションは大事だろ。 堅い話ばっかりじゃ疲れるし、なあ?」
まぁ、そうですね――と一応肯定しておく。
本心ではこれからについてのまじめなお話でも、こうやって気楽に談笑して事務所の空気に慣れておくのも、蓮実にとってはどちらでも良い。
「私は、まだここで何をして良いかも全く分からないので……プロデューサーさんにお任せします」
「だって」
「信頼されてるんですから、ちょっとはしっかりして下さいよ?」
「……むー」
まるで子供のように、小さくふくれっ面をしてみせるプロデューサーが少し可笑しくて、ふふと笑みをこぼした。
「……まあ、このへんでいっか。 じゃあ本題に入るけど」
「……は、はい!」
と思ったら途端に真剣な口調に戻り、困惑しつつも姿勢を改めて正す。唾を飲み込み、拳を握り直して蓮実はプロデューサーの鼻先のあたりを見つめた。
「まず最初にね、ここには全部でだいたい……180人くらいの女の子がいて」
「180。 そ、そんなにですか……」
「まぁ、そんだけいりゃここに来た理由も色々だ。 街中でスカウトされて〜とか、元々別の場所でアナウンサーとかモデルとかやってて、
第二のステップとしてやってくるのとか。 色々いて面白いよ……もちろん、正当にオーディションを受けてやって来たのも」
曲がりなりにも地元にいたときから名前くらいは知っていたので、大きな事務所とは分かっていたが……予想外の数字にくらりとする。
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