15: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:24:34.24 ID:8+PeY8Rzo
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「……趣味は古着屋巡りに、ボウリング……? マイボールまで持ってるんですね! すごい!」
「いえ、たしなむ程度ですので……」
履歴書に目を通しながらちひろが賞賛の声を上げ、蓮実はただ恥ずかしげに相づちを打っていた。
「またまた、謙遜しちゃって。ベストスコアは?」
「うーんと……確か、200を超えたことくらいは……」
「へぇ〜、すごい。そりゃ男でもなかなかいないよ…… ちひろちゃんはボウリングやったことある?」
プロデューサーの質問にも、遠慮がちに答えていく。
「まぁ……やったことくらいはありますが、100もいかないですよ?」
「だろうねぇ〜、華奢っぽいしね」
「そうですか…………って、」
途中まで一緒になって話し込んでいたちひろが、ここでようやく異変に気づいた。
「プロデューサーさん、これはただのお喋りでは……?」
「ん?」
キョトン、と音の出そうなプロデューサーののんきな表情とは反対に、ちひろの眉間に小さく皺が寄っていく。
確かに実のある話はまだ何一つできていなかったなと、蓮実もよそ事のようにぼんやり思っていた。
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