19: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/23(火) 22:34:05.35 ID:8+PeY8Rzo
「……OK。それが今の長富の答えってワケだ」
「……ダメだったでしょうか」
「うんにゃ、そんなことないよ。 まだまだ腹割って話しにくいところもあるだろうしな。 ありがとう」
初めての話し合いで印象を悪くしてしまったかもという不安がほんの少し残る蓮実に対して、プロデューサーは何事も無かったかのように続けた。
「んじゃ、まずは他の新人と同様、基本的なレッスンで現時点でのスキルを測る。
後は取引先に軽く挨拶回りして、そんで一通りの基礎トレが終わったら、
ウチと提携してるライブハウスのうちの一つで早速ステージに立って一曲披露してもらう――まあ、今から2週間後ってとこかな」
「そ、そうなんですか?」
――たった2週間でステージデビュー?
蓮実の心臓が一気に高鳴る。
「346の新人はだいたいこの流れでアイドルとしての第一歩を踏むってワケ。 いち早く実践の場に立たせてくれるなんて、なかなか良心的だと思わないか?」
「そ、それは……そうかもしれませんが」
「ま、慌てなくてもいいんだ。 レッスンを進めるのと並行でその初ステージの内容についてもしっかり話し合って、どういうことをやりたいか――
長富の希望も聞いて、できる限り実現する」
“自分の希望”というフレーズがどこまでを指すのか確実には汲みかねる。そのままプロデューサーの次の言葉を待った。
「最初だからな、歌詞忘れたりとか多少の失敗はみんな目をつぶってくれるさ。
それよりも、自分のイメージしたとおりの事がステージで実際にできるのかどうか。
そんでもって観客からどういう反応をもらうのか……そういう、いままで想像でしかなかったアイドル活動と実際とのギャップを埋めるのが目的」
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