9: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/21(日) 23:21:03.11 ID:gNqPAssWo
だが、時代は変わった。
現代の人々にとって、アイドルとは百人いれば百通り存在する。
個々の知名度の差こそあれ、それがアイドルとしての全てではなくなった。
個性を重視し、オリジナリティを売りにして「狭く深く」独自の方向性で人気を得ていくようになった。
人々はそれぞれが信じる対象を崇拝し、支え、成功をともに喜び、失敗を悔やみ、進退に一喜一憂する。
それはアイドルへの人々の目が変わり、万人に人気を得ることが難しくなったから。
そしてTVからインターネットへとメディアの主流が移り変わり、「狭く深く」の戦略で生き残れる世界に変化したから。
そうして平成のアイドルはひっそりと栄えていった。
そこにはかつてほどの影響力こそないものの、みなそれに納得していた。
偶像は多様化の道を選んだのだ。
アイドルは孤高ではなく、
より近しい存在になり、
憧れは親愛に変わった。
万人にとってのアイドルはこの時代には存在しない。
こうして、かつて世を賑わせた「清純派」はすっかり鳴りを潜めることとなった。
さらに時代が移り変わろうとしている平成の末期、
一度は絶滅したかに見えた「清純派」の、最後の一人が現れるそのときまでは。
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