73: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:22:13.75 ID:uFnZQdOAo
プロデューサーに気づいた少女が、すっくと立ち上がってペコリと一礼する。
「プロデューサーさん、お疲れさまです」
「おう、長富。 新人を連れてきたから、紹介するわ」
74: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:23:11.90 ID:uFnZQdOAo
「ああやって、自分らしく! っていう感じで立派に活動してらっしゃるのがとっても羨ましくて。 私も見習いたいなって、思っていました」
「……そ、そんな風に思ってもらえてたなんて……ナナ、嬉しいです!」
75: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:25:54.25 ID:uFnZQdOAo
「それにしても……蓮実ちゃん……とっても可愛らしい名前ですね!」
「私も気に入ってます」
76: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:27:52.81 ID:uFnZQdOAo
「お、佐藤」
そう呼ばれた女性は、大げさなリアクションでプロデューサーに軽くスキンシップを交わした。プロデューサーの方はというと、躱した、という感じが見て取れた。
意に介さず女性は言葉を撃つ。
77: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:31:13.32 ID:uFnZQdOAo
「佐藤心で、しゅがぁはーとって呼んでね!しゅがはでもいいよぉ☆ こいつは一年間全く呼んでくれなかったけど! よろしくね♪」
「それは別にいいだろ」
78: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:32:56.78 ID:uFnZQdOAo
*
「さて。一通り事務所の紹介も終わったところで、二人が一緒にいる理由はもう分かるよな?」
79: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:43:09.65 ID:uFnZQdOAo
「細かい計画なんてない。俺がお前らを一緒にしようと思ったのは……面白そうだったから」
「面白そう……」
「二人ともな。 そんでもって、二人にぴったりな目標がある」
80: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:49:49.36 ID:uFnZQdOAo
「知ってます! すっごく大きなトーナメントのオーディション大会ですよね?」
「そうなんですか?」
プロデューサーが頷く。
81: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:53:25.66 ID:uFnZQdOAo
がんばってください、とばかりに小さく拍手するちひろとは裏腹に、蓮実と菜々は黙りこくる。
しばらく考えてみたあと、ようやく菜々が口を開いた。
「で、でも……IUって、すっごく厳しい大会なんですよね……ナナたちみたいな新人が、簡単に勝てるとは思えないんですが」
82: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:54:02.66 ID:uFnZQdOAo
>>81訂正
「それででいいのか──ってことだよ」
↓
「それでいいのか──ってことだよ」
83: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:56:34.37 ID:uFnZQdOAo
「「…………」」
──よくないに決まってる、けど。
ネガティブな反論を押し殺して、菜々は蓮実の顔をちらと覗いた。
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