75: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:25:54.25 ID:uFnZQdOAo
「それにしても……蓮実ちゃん……とっても可愛らしい名前ですね!」
「私も気に入ってます」
思い出したようにレッスンの邪魔をしてしまった心配をしたものの、蓮実はおかまいなく、ちょうど終わったところですから、と言ってくれた。
「話終わったんなら、今度は二人を交えてミーティングと行こうか。 事務室に戻るぞ」
「はい、分かりました」
「は、はい……!」
蓮実の返事に、菜々もとっさに合わせる。
ミーティングとやらが何をする場なのか皆目見当はつかないものの、ようやく仕事の話だ。地下アイドルではない、本物のアイドルとしての第一歩。
「アイドルモード・メルヘンチェ〜ンジ……ん、違うかな……」
我に返り、ぶつくさ呟いていたのが二人に聞こえなかったことを心の底から安堵し、後を追う。
プロデューサー、蓮実に続いてレッスン室から出てきた菜々が目にしたのは、廊下の向こうからこちらに歩いてくる一人の女性だった。
背丈は菜々よりも20cmほど高く、内側にくるりと大きく巻き込んだゴールドブラウンのツインテールが眩しい。
大人っぽいスタイルに似合わず、言うなれば菜々の好みにも近いファッションが印象的で。
――あの人もアイドル?
その姿を見てすぐさま、もっと大人な格好をすれば映えるんじゃないかとか、などと浮かんだものの、それを抜きにしてもやはり綺麗な人だなと菜々は思った。
同時に、こうも美人とばかり出会ってしまうとこの先やっていけるのか少々不安にもなる。
「プロデューサーじゃん!」
その女性はプロデューサーの姿を確認すると、手を振ってこちらにやってきた。
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