83: ◆AsngP.wJbI[saga]
2019/04/29(月) 00:56:34.37 ID:uFnZQdOAo
「「…………」」
──よくないに決まってる、けど。
ネガティブな反論を押し殺して、菜々は蓮実の顔をちらと覗いた。
じっとプロデューサーを見つめている。
「お前らはまだ二人揃ってようやくアイドルになれたばっかの、アイドル界の序列における底辺中の底辺。 しかも癖の強い“ワケあり”のアイドル、ってとこかな」
「そりゃ、そうですけど……」
「それが想像してみろ。 そんなワケありの底辺アイドルが……IUの大舞台で勝ち上がって、優勝して、正真正銘のトップアイドルになる様をさ」
「…………」
「そうなったとき、お前たちの立場は変わる」
立場が変わる──
今までの薄暗いアイドル人生の記憶一つ一つが頭の中を通り抜けていくような気がした。
「それってさ、めちゃくちゃ面白いと思わないか?」
「……面白いと、思います」
「だろ」
息を込めて、菜々が答える。
プロデューサーはニヤリとした。
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