年越し代行
1- 20
36:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 21:46:28.40 ID:JbQZeQhn0
「俺がアイツに説教するとでも思ったか?」

 どうやら、僕のルートはすこぶる効率が良かったらしい。
 今年は随分と仕事が早く終わり、まだ新年を迎えるまでには時間があった。

以下略 AAS



37:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 21:48:26.84 ID:JbQZeQhn0
「ただ、アイツの言ったとおりだ。
 俺の身勝手のせいで、辛い思いをさせちまったのかも知れんのだから、説教する筋合いなんて無い。
 まっ、謝ってやる気もサラサラ無いがな」


以下略 AAS



38:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 21:51:41.50 ID:JbQZeQhn0
「何で、って……代わりにやるからだろ? 年越しの手続きを」
「質問が悪かった。じゃあ、何で代わりが必要なんだ?」
「それは……」

「昔は、自分でできたのさ。
以下略 AAS



39:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 21:54:36.61 ID:JbQZeQhn0
 ――今の時代に留まりたいと願うだけで、本当に年越しができなくなるものなのか。
 にわかには信じられないが、実際こういう仕事に携わっているのだから、疑う余地は無い。

 だが、いま一つ腑に落ちない。

以下略 AAS



40:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 21:57:01.83 ID:JbQZeQhn0
「じゃあ何だよ」
 さっさとアイツのつまみを回しに行けばいいのに。
 いい加減、寒さで体が冷えてきて、ついイライラしてしまう。


以下略 AAS



41:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 22:00:23.77 ID:JbQZeQhn0
「長いこと、この仕事してると、色々と達観しちまうんだよ」

 ジイサンの笑顔は、嬉しそうでもあるようで、どこか寂しそうでもあった。
 それは、僕が勝手にそう思っただけかも知れなかった。

以下略 AAS



42:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 22:05:31.04 ID:JbQZeQhn0
 チラッと、デロリアンの時計が目に入った。
 あと数分で年が明ける――僕達の一年間が消える。

「ジイサンの言う通り、人は誰だって、心のどこかに恥とか自負を持っている。
 それがあるから傷つくのだし、傷つきたくないから見栄を張る。
以下略 AAS



43:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 22:07:53.57 ID:JbQZeQhn0
「役回りが違えば、違うなりの需要はあるんだよ。
 だから、俺もお前も、あのクソガキも皆同列だ……そうでもなきゃ、やってられんさ」


「――そうかもな」
以下略 AAS



44:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 22:10:54.45 ID:JbQZeQhn0
「アイツが年越しすりゃ、俺とアイツはますます離れていっちまう。
 たかが一年くらい、俺だけのために足踏みしてもらいたかった、って……そんだけだ」


「――ハッハッハッハ」
以下略 AAS



45:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 22:13:35.76 ID:JbQZeQhn0
「――僕の方こそ」

 この手を握ったら、ジイサンともお別れだ。
 記憶を引き継げない事の寂しさが、今年は一層重く、強く押し寄せる。

以下略 AAS



46:名無しNIPPER[saga]
2018/12/28(金) 22:15:22.10 ID:JbQZeQhn0
 ――気づくと僕は、見慣れないマンションの一室で目が覚めていた。

 金が無いので銀行へ行くが、年始のこの時期は開いておらず、コンビニに行ってみる。


以下略 AAS



49Res/44.70 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice